第27話 聖処女のマスターは中二病
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
那須与一。
千里の的の扇を射抜いたと言う伝承で有名な武将。
それが九鬼の武士道プランと言う計画の下、クローン技術により、生前仕えた源義経と家臣の武蔵坊弁慶+αの3人の英雄のクローンと共に現代に蘇ったのだ。
ただ、蘇ったと言っても人格は別人であるため転生と言う事では無いし、最初から成体では無く、普通の人間と同じように赤子から育ってきている。
彼ら4人は英雄としての自覚を持ちつつも、伸び伸びと育ってきた。
否、そう言う教育と環境で育てられたのだ。
しかし彼らには何の不満は無かった。
ただ1人、中二病を今もなお患い続けている与一だけは。
「――――遂にこの日が来やがったか」
生みの親であるマープルの存在は前から知っていた俺達は、今までも定期的に顔を合わせてきた。
だが今日この日だけは違った。遂に俺達を世間に大々的に公表する為、数日後に島を出ることが決まったのだ。
それはつまり、あの“組織”との本格的な抗争が始まる事を意味していた。
あの組織から義経と言う光を守りきるのは、いざという時の備えを幾つも用意しておかなければならない。
だから俺は行動に移した。
以前親父の倉庫から見つけた埃に塗れた魔導書。
これを使って、強力な使い魔を召喚する為に。
「素に銀と鉄。礎に契約の大公。我が主は遮那王。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
言葉を紡ぐたびに俺の中から溢れ出る魔術回路が速度を上げる。
「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖の杯の寄る辺に従い、この意、この理に従うならば応えよ」
俺の想いがこの空間を包み、呼び出す存在に俺の覚悟を伝える。
「――――誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
俺の覚悟に答えたように空間に風が吹き上がり、魔法陣から光が溢れだす。
「――――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よっ!」
光と風が爆発的に膨れ上がり、その場を満たした。
そして煙が晴れて行くと、俺は我が目を疑った。
同時にエタニティー・ソウルを多く消費したから、踏ん張りがきかずに尻もちをついてしまった。
俺の目の前に現れた使い魔は想像していたのとは違い、義経や弁慶や葉桜先輩以上の美貌を持った金髪の女性だった。
「な、ななな、な・・・・・・」
そうして現れた金髪の女性が与一に問を投げかける。
「貴方が――――私のマスターですか?」
「へ?あっ、いや・・・」
まさか獣では無く人だとは思いもしなかった与一は口ごもるが、会話は突然打ち切ら
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ