第二章
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だがそれでもだとだ。彼はその友人に返した。
「けれどエロゲはな」
「したことないんだな」
「そうなんだよな。エロゲな」
「してみたらどうだよ」
「一回な。そうしてみるか」
「ああ、まあ一般のゲームになってるエロゲは大抵質がいいからな」
そうした描写を抜きにしてもだというのだ。
「だからやってみろ。かなりいいぜ」
「よし、じゃあ今度買ってやってみるな」
浩一はその友人の言葉に頷いた。そうしてだった。
実際に彼が持っている一般ゲームから調べて所謂原作となっているそうしたゲームを店で買った。そうして自分のパソコンにインストールした。
そしてそのうえでプレイしてみて。彼はいきなり自分の耳を疑った。
「えっ、まさか」
最初に出て来たキャラの声がだ。
何と彼が贔屓の女性声優のそれにそっくりだったのだ。いや、違った。
そっくりどころではなかった。それは。
「本人だよな」
その贔屓の女性声優そのものだというのだ。
「間違いない、これは」
キャラクターの紹介を見た。それを見るとだ。
名前が違った。全く。
だがその名前は妙にふざけているというか胡散臭い感じの名前だった。見ればどのキャラクターの声優の名前もそうだった。本当に見事なまでに。
確かに名前は違う。しかしだったのだ。
「あの人じゃねえか。仲村恵利子さんだよな」
あるアイドルアニメで有名な声優である。
そして他の声優もだった。今度は」
「おい、これは今居阿佐美さんだよな」
同じくそのアイドルアニメで有名な声優だ。尚仲村恵利子との仲のよさはあまりにも有名で同性愛ではないかと面白おかしく噂される程である。
そしてその他には」
「これは。水波子香里さんだよな」
小柄で有名な声優である。色々な声が出せることでも有名だ。
「他にも。井口有香さんだよな」
猫を飼っていることでも知られている声優だ。
とにかくだった。どのキャラもだった。
あからさまに本人だった。しかもその女性声優達が。
ゲームの中で喘ぎ恥ずかしい台詞をどんどん言う。浩一には信じられない世界だった。
この日は朝までこのゲームを堪能した。そして一睡もしないまま。
彼は登校し友人達にだ。こう言ったのだった。
「あのゲーム何だよ」
「ああ、凄いだろ」
「エロかっただろ」
「エロいとかそういう問題じゃねえよ」
声優マニアの彼にとってはだった。
「あのな、声優さん達な」
「声優さんがどうしたんだよ」
「何かあったのかよ」
「あの人達だよな」
これで通じたがだ。浩一はさらに言った。
「アイドルゲーム、アニメにもなったけれどな」
「赤と
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