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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第83話:詰めを誤ると全てが崩れる。
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が、私が下賤な者に会うのですから、その心内に共鳴して反対はしないはずですし、ギルバート殿下に睨まれてる私ですから、彼が嫌ってる奴隷商人に会う事を秘密にして貰えるように頼んでも不思議ではないはずです」
「なるほどなぁ……そうやって商人を脱獄させ、一緒に例の男も連れ帰らせると言うのだな?」
「ご明察、痛み入りますシェラサード公。我が国の船が到着し、出港する直前に脱獄させ帰りの船に密航させれば、如何にグランバニアといえども手を出す事は出来ないはず」
「タイミングが命の作戦になりそうだな」
その通りだろう。
私もアトキンス子爵・ゴルディアス男爵もシェラサード公の言葉に頷いて返事をする。
「早速、明日にでも宰相へ再面会の嘆願に行って参ります」
「では今晩中に脱獄用のナイフと、作戦指示書を書き上げておかねばな」
ふっふっふっ……あの男を連れ帰り、超絶兵器を生産する事が出来れば、陛下の我々に対する信頼は計り知れないモノになるだろう。
パンタリオンSIDE END
(グランバニア城・宰相兼国務大臣執務室)
レクルトSIDE
国賓を迎え入れて2日目……
彼等も城内を行き来してるので、皆も緊張して仕事してるだろう……と思ってたんだけど、メイドも兵士も気にする事なく何時も通りの態度で仕事している。
僕としては、その神経の図太さに疑問を持つ。
そんな中、ホザックの随行員の一人であるスケベ面なパンタリオン伯爵という人が、馭者をしガイドも勤めた僕の事を憶えてたらしく、ウルフ君への面会を頼んできた。
“知らねーよ。勝手に会えよ!”と言いたいところをグッと我慢して、恭しい態度で彼をウルフ君の下へ案内する。
「宰相閣下にはご機嫌麗しゅう……」
「え? あぁごきげんよう。朝っぱらから何の用ですかな?」
仕事に集中していて今まで気が付かなかった的な態度で挨拶するウルフ君。嫌がらせだな。
「実は閣下に折り入ってお願いがあるのですが……」
「女なら斡旋しないよ。我が国のメイド等は娼婦ではないのだからね……貴国と違って」
あの噂は本当の事みたいだな……ユニさんを見た連中が、部屋に寄こせと要求した事は。
「い、いいえ……本日は違います! もっと深刻なお願いであります!!」
「深刻な願い? 王妃陛下に惚れたから取り成せとか言うのかい?」
あの噂も本当か……ビアンカ様をメイドと勘違いして口説いたって事も!
「い、いいえその様な事ではなく……今一度あの商人と面会させて戴きたいのです!」
「はぁ? あの奴隷商人と面会したい!? 何故?」
奴隷商人って、あの地下牢にずっと閉じ込めてる男の事かな? 今一度って事は昨日も面会したんだ!
「実は私とあの商人は旧知の友でして……グランバニアの皆様方には奴隷商人
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