第二章 Lost Heros
VS薄緑決着
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法則が狂うあの世界ではあるものの、「動かない」ということに対しては、何も作用しないのだ。
あのバリアはもう張られてしまったものだし、そのままいるなら余計な行動はいらない。
あれほどの硬度ならば三十秒間バリアを張り直さなくとも耐えきるだろうし、消し去ることもできない。そう言った「一瞬で終わらせる」ということはできないのだ。
つまり、理樹としては発動した瞬間に動かなければいいのだ。
この固有結界のことは彼も知っている。
ここまでの詳細は知らなくとも、自分の思い通りにならない、というのは知っているはず。
ならば下手に動くのは危険とみて、動かないだろう。
それでは意味がない。
体力を消耗するだけだ。
試すにしても、まだあとでになる。
これは効かない。
あれを破壊しうる方法としては、十五天帝による一撃粉砕だが全部そろっていない今ではそれも出来ない。
そもそも中心になるべき獅子天麟がないのだ。
天馬があるから呼び寄せることも可能なのでそれをしてもいいが、それでは飛んでくる剣を追ってクラウドが来るかもしれない。
これはできない。
雷旺砲、絶光尖と防がれた今、こういった能力系は一切効かないだろう。
これは意味がない。
そもそも、雷旺砲は両手でないと放てない。
片手では拡散してしまい、本来の三分の一程度の威力しか出ないのだ。
そう考え、いきついた先はただ一つだった。
「うん・・・・やっぱり捨てるしかないみたいだな」
「? いったいどういう・・・・・」
何やら気楽な声で、蒔風が首をゴキゴキと鳴らす。
いったい何をするというのか。
流石に理樹も身構えた。
この男はどんなことをしてくるかわからない。
「見せてやるよ、理樹」
蒔風が翼を開く。
「死の恐怖無き男の」
そしてそれが鋭利になって。
「先を見据えぬ戦い方を」
蒔風が加速開翼してその場から消えた。
「!? 高速移動・・・・!!!」
視認できないほどの高速移動。
そこから放たれる攻撃はなるほど、確かに強力だ。
だが今のコンディションではとてもではないが理樹のバリアを破ることなどできない。
そう考え、理樹は蒔風が攻撃してくるのを待った。
あの体ではそう長くは移動し続けられないはずだ。
すぐに限界は来
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