暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
銀白VS英霊U
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
風がそれを面白そうに眺めながら、槍を首の後ろに回して両肩に担いだ。


直後、白い羽根が散って、セイバーの姿があらわになった。
その姿は先ほどの甲冑が青だとしたら、今のは白と呼ぶべき姿だ。

まるで花。ドレスのような外見に、その装甲は幾分か少なくなった。



ある世界では、セイバーリリィと呼ばれる姿―――に近い形態の彼女がそこにいた。
速度にすべてを置いた、彼女の別形態が二人の魔力を吸い取って今ここに現れた。




「ほう・・・・・・」



それに、蒔風が感心したように言葉を漏らす。

その姿は、ただ美しいものだ。とても戦闘のできるような、否、戦闘など出せば崩れてしまいそうなほど美しいものだった。


しかし

「行きます・・・・・」



セイバーのその掛け声と



「覚悟ッ!!!」



速度によってその考えは改めさせられる。





まるで視認できない。

蒔風は一瞬自分に迫ってくるセイバーを見たが、次の瞬間には脇腹が切られていた。
そこを押さえ、血を止めようとする蒔風だが、セイバーの攻撃は止まらない。

肩を、足を、少しずつ切られていく。
蒔風はそれに対し、何とか身をよじって避けている。だからこそこの程度。本来なら既に足の一本でも切り落とされて当然だ。



(クロックアップに慣れてっからいいけど・・・これはいささかきついぞ!!!)



蒔風の感想はこんなものだ。
そう、彼女の速さに、蒔風は追い詰められつつある。

それを見る士朗と凛にしてみれば、ただ白い亡霊が蒔風を通過して切り刻んでいるようにしか見えない。


が、その現象は蒔風にも発生した。




加速開翼。





超高速移動についていくため、蒔風が獲得した方法だ。
その速度はクロックアップや風足に匹敵し、彼らの動きについて行くことができる。

だが、それでもセイバーはなお速い。下手をすれば全力を出したフェイトよりも早いのではないだろうか?


まあ、実際には蒔風のコンディションが悪いためにそう感じているだけなのだが。





ともあれ、勝負は一瞬で終わる。



「ゲイボルg「風王鉄槌(ストライク・エア)!!!」」




ドバッ!!と




風の奔流に殴られ、同時に吹き飛ばされた蒔風が沢の砂利の上をジャラジャラと転がり、すられ、身体の半分が水に沈む。


その蒔風に向かって、セイバーが超高速をやめて蒔風の元に走る。
もう彼は動けまい。このままでも十分に勝てる。早くしないと二人の魔力も危ないのだ。



しかし、瞬間その槍が光って蒔風の手から飛び出した。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ