第二章
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「あの方の指揮下に入ってもらいだ」
「そのうえで、ですね」
「要塞攻略にあたってもらう」
「わかりました。それでは」
「あの列車砲はかなりの武器になる」
要塞攻略、その為のだというのだ。
「だからだ。頼んだぞ」
「わかりました。それでは」
ハイネセンはドイツ軍の敬礼でその中将の言葉に応えた。そのうえでだった。
列車砲も部隊もレニングラードから遠くクリミアまで向かった。その移動は。
列車砲は幾つにも解体して運んでいる。その今は解体されている列車砲を見ながら。
施設された鉄道の中でだ。部隊の面々は言うのだった。
「でかいだけに大変だよな」
「ああ、移動するのがな」
「いちいち解体してだからな」
「面倒なのは事実だな」
こう話すのだった。
「まあそれでも戦場に着けばな」
「後は線路を敷いて。それからな」
「組み立てて攻撃できるからな」
「それはいいよな」
「今クリミアには重砲部隊が集結している」
あの少尉、ヘッケン少尉が部下達に話した。見れば今の階級は太尉になっている。その彼が下士官や兵士達にこのことを話したのである。
「それこそドイツ軍全軍のな」
「でかい砲の部隊がですか」
「集ってるんですね」
「ドーラにカール=グスタフ砲にな」
ドイツ陸軍では機甲師団と並ぶ看板だった。ドイツ軍には強力な重砲部隊もあるのだ。
「それで俺達の列車砲だ」
「もう総動員で攻めるんですね」
「でかい大砲を集めて」
「セバストポリだからな」
ヘッケンもだ。このことを言う。
「そうでもないとな」
「陥とせませんか」
「あの要塞は」
「難攻不落だぞ。しかもイワンの要塞だぞ」
これもまた重要だった。つまりソ連軍が築いた要塞だというのだ。
「あいつ等は守ることは上手だからな」
「だからこそ、ですか」
「俺達が集まってですね」
「撃ちまくって攻め落とす」
これがドイツ軍の、マンシュタインの作戦だった。
「だからいいな。向こうに着けばな」
「はい、すぐに線路を敷いてですね」
「列車砲を組み立てて砲撃用意をして」
「そのうえで」
「撃ちまくる」
ヘッケンは断言した。
「そうして要塞を攻め取るからな」
「わかりました。それじゃあ」
「向こうに着けばすぐ、ですね」
「すぐに準備をしましょう」
「攻撃の」
「そういうことだ。それではだ」
ヘッケンは戦争の話からだ。こう言ったのだった。
「食うか」
「そうですね。その時間ですね」
「それじゃあ」
「とはいってもな」
ここでだ。ヘッケンは苦い顔になってだ。こんなことを言った。
「乾パンとな」
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