第四十七話 成長その二
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「蓮見さんかなり勉強していてね」
「成績はいいですか」
「かなりね」
「じゃあ大学も」
「大丈夫みたいよ」
「八条大学に進学出来ますか」
「それもね」
ここでだ、副所長は電話の向こうの優子に笑顔で言った。
「文系ならどの学部にもね」
「行ける位にですか」
「成績が上がっているみたいよ」
「それは凄いですね」
「だから法学部も行けるかも知れないわ」
八条大学の文系で最も偏差値の高いこの学部にというのだ。
「あそこの法学部は相当だけれど」
「そうですね、法学部は全国トップクラスです」
優子も通っていた大学あってこのことを知っている。
「そこに行ける位となりますと」
「かなりのものね」
「はい」
実際にとだ、優子も答えた。
「そこまでとは」
「元々成績はよかったみたいね」
「そうです、結構」
医学部に行った優子程ではないがだ、八条大学は医学部もかなりレベルが高く全国でもトップクラスである。
「何も心配ない位に」
「それが、なのよ」
「これまでよりもですね」
「よくなったのよ」
「それは驚きですね」
姉である優子にしてもだ。
「そちらはかなり期待出来ますね」
「そうね、彼女がどの学部に進みたいかだけれど」
「それでもかなり」
「期待出来るわね」
「はい、将来が楽しみですね」
そちらから見るとだ。
「一体どうなるか」
「学者になれるかも知れないわね」
「そうですね、そちらもありますね」
「あの娘には将来があるわ」
「本当にそうですね」
「若いし、ただ」
ここでだ、副所長はこうも言った。
「若いと確かに将来があるけれど」
「それでもですか」
「七十でもこれからだと言って頑張っている人もいるわ」
「七十でもですか」
「ええ、そうよ」
定年をとっくに迎えて年金を受け取っている年齢でもというのだ。
「そう言って何かに必死に頑張っている人もいるわ」
「若い時と同じで」
「そうしている人もいるから」
「年齢は関係ないですか」
「将来はね」
「そうしたものですか」
「ええ、私達にしてもね」
副所長は優子にも話した。
「これからかも知れないわね」
「七十の人がそうだから」
「まだまだね」
そうした人達と比べれば遥かに若い彼女達は尚更というのだ。
「将来があるわね」
「そういうものですね」
「人間五十年の時代じゃないわ」
「八十まで、ですからね」
平均年齢の話にもなった。こちらは男性より女性の方が上だ。ただ年齢についても個人差というものがある。
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