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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
未来へ
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学生から高校生程度、特徴的なのは透き通るくらいの艶やかな緋色の髪。それに合わせたと言わんばかりの紅い瞳。炎のように燃え盛る熱き印象が、目の前の彼女にはピッタリと当てはまった。
「アタシ? アタシはそう……エリゼ。一応第97層のボスだった存在よ。」
「ボス―――だった?」
私は目の前にいる彼女、エリゼの言葉に耳を疑った。『ボスであった』という言葉に対して不思議そうな様子をしている私に対して、逆に疑問を呈しているような顔をしながらもエリゼは語る。
「そうよ、
茅場
(
マスター
)
によって一時的にプログラム(こうちく)されたボスってワケ。この場所も一時的に作り上げた代物で、本来ならアタシとこの場所、βテスト以降はもう用済みだし、正式版が
発売
(
リリース
)
される前には
異物
(
バグ
)
として
消去
(
デリート
)
されているはずだったの。でも、今はなぜか理由は知らないけど残っている。そして肝心のマスターは……理由はよく知らないけど『ケツメイキシダン』とかいう所のダンチョーって奴をやっているみたいだけど?」
そして更なる言葉で私は驚愕する。欠けていた
要素
(
ピース
)
が繋がりあい、今一つの答えを導き出そうとする。私たちが此処に閉じ込められた際に話していた声の主、あれこそが『茅場晶彦』そのものの
姿
(
アバター
)
だとてっきり思っていた。ゲームを作った本人、茅場晶彦は私達を外から見て、私たちがどのように動くかを見ている監視役のようなことをしているのではないかと。
「つまりそれって――ヒースクリフが茅場晶彦!?」
「ええ、そうだけど。知らされてなかったのね。
開発者
(
マスター
)
はそういう所隠しているのね……まあ良いわ。キャラクターネーム『ヒースクリフ』は茅場晶彦、この世界を創り出した
創成主
(
クリエイター
)
のことで間違いないわ。」
導きだされた結論は、SAO世界最強の存在、ヒースクリフが私達をSAO(ゲームの中)に閉じ込めた人物、茅場晶彦であると。にわかには信じがたいが、筋は通る。あくまでも私の知識や何度かあったことのある人たちから想像できたことだが、少なくとも何らかの上に立つ者は絶対的な『何か』を持っている。その答えになるのが、ヒースクリフの持つ『神聖剣』がその『何か』だろう。更に加えて管理者権限まで持っていれば、それこそまさに絶対的な力を持てる。だからといって彼が何故私たちを導くような行為をしていたのだろうか? 自分が作ったものを他人に
攻略
(
おわらせてもらう
)
為にわざわざ先導役をやるとは。その理由は、私には分からない。少なくとも自分が彼のような立場なら、プレイヤーを有利にすることはしなかっただろう。
「ねぇ、エリゼ。此処からはどうすれば出られるの?」
私はそう彼女に尋ねた。ここが本来のSAOから離れた部分であるならば、早く抜け出すこ
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