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さよならイエスタディ
第一章
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?」
 岩場と聞いて彼は左手のかなり先の方に見える岩場を指差した。そこはあの時のまま私の目にも入ってきた。
「あそこか?」
「あの時のままね」
「あそこでか」
「そう。夕方に二人で行ってね」
「よく見つからなかったな」
「見つからないようにするものでしょ」
「まあな。それはな」
 それでもこっそり誰かに見られていたりする。こうしたことでそうしたことを知ったのは高校を卒業してからだった。物陰でのことの後だった。
 そのこともだ。彼が話してくれる。
「見つかるんだよな」
「こっそりと誰かに見られて」
「俺はそうはならなかったみたいだけれどな」
「卒業式の時に?」
「理科室にこっそり入ってな」
 場所はそこだという。
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