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決して折れない絆の悪魔
バルバトスと天使
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「ぶ、武器を投げるのですか!!!?イ、インターセプター!!!」

凄まじい勢いで迫ってくる武器の圧力と迫力に恐怖を感じつつ近接用ブレードを展開し攻撃を防御する。防御によってメイスは上へと弾かれた、武器を投げた事でセシリアは接近が苦手と思いライフルを向けるが其処には既にバルバトスの姿はなかった。どこだと焦るとハイパーセンサーに反応、上だ。そこでは弾かれたメイスを持ち直し思いっきり振り下ろして来る悪魔の姿があった。

「い、いやああああああ!!!!!」

緑に光るツインアイが酷く恐ろしく思えたのか悲鳴を上げながらライフルを向けるがメイスはそのライフルを一瞬で砕きそのままセシリアの肩へと振り下ろされた。かなりの質量であるメイスの一撃による衝撃は全身を揺さぶり内部を破壊せんとする、その衝撃を緩和しようとISの防御機能である絶対防御が作動する。SEを消費して搭乗者を守る機能だがそれでも完全には殺しきれず、そのまま地面へと二機は激突した。

「ぅぅぅっ……」

激突の衝撃で意識が朦朧とするセシリアは必死に状況を確認しようとしていた、だが意識が戻らない方が幸せだっただろう。その時点で試合続行不可能として処理され、終わっていただろうに。瞳を開けるとそこには自分の上へと立ち、侮辱した自分を逆に見下し返すようにしながらメイスを構えている悪魔の姿があった。

「ま、待って……!!」
「嫌だね」

串刺しにするようにメイスが再び身体に突き刺さる。

「俺は母さんとオルガに言われたんだ」
「カハァッ!!」
「あんたをやって来いってさ」

無慈悲に、機械的に、メイスは振り下ろした。サムスとオルガの言葉だから、そして自分もそれが正しいと思うからメイスをふるい続ける。

「いやぁ……いやぁぁああああ……!!」

そうセシリアの声が聞こえてくる、恐怖に震える憐れな女の声だ。こんな奴に未来院は侮辱されたかと思うと苛立ちが沸いてくる、そしてもう一度メイスを振り上げると大きく喧しいブザーが鳴り響いた。

『試合終了―――勝者、未来 三日月』

ブザーと共に真耶のアナウンスが聞こえて来た、どうやら勝ち負けの基準であるSE、ブルー・ティアーズのそれが尽きたようだ。振り上げたメイスを背中へとマウントし直すと三日月は興味を失ったかのようにまだ小さく声を漏らしているセシリアを放置し真っ直ぐと家族の待つピットへと戻った。戻ると直ぐにオルガの声がした。

「お疲れだミカ、よくやった」

その声を聴くとミカはバルバトスを解除しながら嬉しそうにサムズアップを決める、そんな彼の顔は先程の戦いぶりからは想像出来ないほど煌びやかで、天使のような優しげな笑みだった。
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