暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
ケッコン協奏曲 〜赤城〜
1.新しい仲間
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いツブのようなものを指でつまみ、まじまじと観察するロドニーさん。確かに彼女がつまんでいるそれは、小さなBB弾だ。

「集積地さん、これは……?」

 ロドニーさんのつぶやきを受け、たまらず集積地さんに話を振ってみた。集積地さんは、自分の足にしがみついている電さんの髪の毛をくちゃくちゃといじりながら、キリッとした顔で私の方を向き、メガネを光らせて答えてくれる。

「……砲台子鬼は喧嘩っ早い。故に今は大事に至らないよう、実弾の代わりにBB弾を装填させている」
「あ、なるほど。通りで……」

 執務室に鳴り響く、『パチンパチン』という砲撃音。そしてその度に『いでぇえ!?』という天龍さんの悲鳴がこだまする。しかし砲台子鬼さん、すばしこく逃げまわる天龍さんに対して、よく百発百中でBB弾を当て続けることが出来るな……。

「感心してないで俺を助けてくれ姐さん!!」
「いや弾道計算も完璧ですし、何より天龍さんの動きを読むその腕も見事ですね」
「だろう? 砲撃の正確さなら誰にも負けない」
「いいからまず被害に遭ってる俺を助けろって!!!」

 涙目でそう悲鳴をあげる天龍さんだが、元はといえば天龍さんが砲台子鬼さんを挑発したのがマズかったわけだし。自業自得じゃないか。

「なるほど。観測もせずに、この正確無比な砲撃……参考になる」
「そうだろう。単純に砲撃精度だけを取れば、この戦艦棲姫もこいつには負ける」
「分かったからやめさせろ! そして俺を助けろ!!!」

 滝のように涙を流しはじめた天龍さんを尻目に、ロドニーさんと戦艦棲姫さんが冷静にそう評価を下していた。特に、ロドニーさんは戦艦だ。砲撃の精度はそのまま自身の戦闘力の評価にもつながる。この百発百中の砲撃をBB弾で繰り出し続ける砲台子鬼さんの砲撃ノウハウが、非常に気になるらしい。キモいけど。

「……集積地、砲台子鬼を止めてあげて。天龍が不憫だ」

 いい加減天龍さんが不憫になってきたのか、それとも単純に執務室がBB弾で散らかるのがイヤなのか……提督が相変わらずの死んだ魚の眼差しで、集積地さんに対してボソッとつぶやいていた。

 それを受けて集積地さんは、電さんの頭をくしゃくしゃするのをやめて、砲台子鬼さんの元にしゃがみ、その頭? 砲台部分? に綺麗な手を置いていた。

「ほら、砲台子鬼」
『……!! ……!!!』
「そのへんで勘弁してやれ。天龍も痛いって泣いちゃってるじゃないか」
「うるせー集積地! 黙れこんちくしょー!!」
「だって本当のことじゃないか……」
『……』

 集積地さんの命令だから、それとも天龍さんを不憫に思ったからなのかはよく分からない。しかし砲台子鬼さんはBB弾の射出を止め、砲台を下ろした。そしてその直後、その頭? 胴体? には
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ