第20話(改1.5)<暗号と艦娘>
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とっては貴重な戦艦と正規空母の着任です。それなりの『心の準備』は必要かと思います」
「なるほどね」
(心の準備か。それは必要かもしれない)
ここでは唯一の戦艦、山城さんですら、あの勢いだからな。
「それに」
彼女は何かを思い出したように付け加える。
「艦娘の食料消費量は設計艦種本来の排水量に比例する傾向があります」
「あ?」
予想外の内容に私はバカみたいな反応をした。
だが祥さんは表情を変えずに続けた。
「つまり艦娘たちの背丈は皆、同じでも艦種……たとえば駆逐艦よりは巡洋艦、さらに戦艦や空母など本来の分類に従って『燃費』や『必要資材』が増えます」
「なるほど」
私は彼女を改めて見た。
「君は、この駆逐艦寛代よりは大食いなワケだ」
そう言った直後に私は『しまった』と思った。いくら相手が艦娘とはいえ、この発言は拙かった。もし相手が人間の女性なら絶対に嫌われるだろう。
ところが意外に彼女は普通に微笑んだ。
「そうですね。寛代ちゃんよりは食べますけど。大食いかどうか」
その落ち着いた反応にホッとするやら冷や汗が出るやら。
(相手は艦娘。単なる機械でも人間でもない)
そんな自分を顧みる。
(私は何を焦っている?)
さきの大淀さんや寛代、それにあの山城さんだって単なる機械ではない深い感情の動きを感じる。
(やり難いな)
それに祥高さんだ。
(艦娘が単なる機械の方が気楽だ)
改めて秘書艦には『人間臭さ』を感じる。
(艦娘は分からないことだらけだ)
「しかし戦艦に正規空母。本省は、ここで観艦式でもするつもりか?」
私はボヤいた。
祥高さんは気付いたように、つけ加えた。
「スミマセン、追加電文で艦名表記がありました。空母は『赤城』で戦艦は『比叡』です」
「なんだ? 一航戦に高速戦艦まで来るのか」
私は思わず呟いた。
「やっぱり観艦式決定だな」
寛代は不思議そうに、こちらを見上げていた。
以下魔除け
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