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マイ「艦これ」(みほちん)
第20話(改1.5)<暗号と艦娘>
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答する。
(どことなく祥高さんにも似ているが、もうちょっと透明感がある)

そんなことを思いながら大淀さんの顔を、まじまじと見ていると彼女が気付いたような表情を見せた。
「あの、何か変ですか?」

私は少し慌てた。
「あ、いや」

少し考えてから私は言った。
「艦娘って本当に、一人ひとりが個性的だよね。君は判断力の速さが長所かな?」
「……」

ふっと硬直した彼女。直ぐにハッとする。
「す、済みません。そんなことを言われたのは初めてで」
その頬は真っ赤だ。

(あれ?)
今まではテキパキと、こちらの問い掛けにも応えていた……が急に声の調子が、しどろもどろになった。そして恥ずかしそうな顔をしている。
その豹変振りには、こちらも驚いた。

私は頭に手をやりながら言った。
「何か悪いこと言ったかな?」
「いえ、そうではなくて……その」

彼女は眼鏡を取ってハンケチで拭っている。何か罪悪感を覚えるな。

眼鏡を取ったまま大淀さんは机の上にあった可愛い柄の水筒を取ると、お茶を一口含んでからホウッと深呼吸をした。

「ごめんなさい、私としたことが動揺致しました」
裸眼の素顔も素敵だと内心思った。

 大淀さんは改めて眼鏡をかけると先ほどまでのキリッとした姿と表情に戻って言った。
「司令、嬉しく思います。久しぶりに『艦娘』らしく扱って頂きました」
「らしく?」

私は、ちょっと不思議に思った。彼女は説明を続ける。
「ご存知かも知れませんが、この美保鎮守府も長らく司令が定着せず不安定でした。最近は祥高さんが代理でしたが」
「そうなのか?」

そう応えつつ彼女の表情を見ると明らかに何かが拭い去られキラキラした表情に変わっていた。
「やはり司令官の位置は殿方が務めるのが相応しいと実感致しました」

私は改めてドッキリした。大淀さんは微笑んで続ける。
「はい。司令なら美保鎮守府も大丈夫だと思います」

「ははは」
思わず苦笑したが彼女の表情は真剣だった。清楚な色気があるよな、この艦娘は。

 やがて起床ラッパの音と共に鎮守府全体がバタバタし始める。点呼、体操や訓練開始の掛け声が構内に響く。
(鎮守府の朝らしい雰囲気だな)

軽く会釈をした大淀さんは直ぐに定位置に戻った。ほぼ同時に伝令管を通して各班から順番に点呼や各種報告が入る。

彼女は何事も無かったように手際よく受け答えをして日報に記入をしていく。

(なるほど手馴れたものだ)
その切り替えの速さは祥高さんを髣髴(ほうふつ)とさせた。

私は聞いた。
「その点呼を受ける業務は君と、あとは祥高さんかな?」
「そうですね」

彼女は少し間を置いてから答えた。
「ただ現状では非常時に困るので今後に備え新しい
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