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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic26-B聖王のゆりかご攻略戦〜Prologue for Episode X〜
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お前を預けた時点で俺の物じゃなくなったわけだが・・・。少しばかり調子に乗っているな、開発コード・カイゼリン』
「そうです、もう私はお前の所有物じゃないです。あの方や計画に賛同して頂いた者たちと一緒にベルカを再誕させ、そしてかつては夢半ばで果たせなかった女王――カイゼリンとなる者。それが私、キュンナ・フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルトです」
『ふん。これ以上の文句は聞かんぞ。裏切り? そもそも俺のような狂人を仲間に入れようという考え自体が間違いだ』
キュンナの怒声を受け流していたプライソンが開き直ったところで、『ようやく連絡が取れました』新たにモニターが展開され、そのような声が発せられた。映し出されているのは、金色の髪をアシンメトリーにした、20代半ばのスーツ姿の男性だ。
「エーアスト様・・・!」
キュンナが男性の名前を呼んだ。エーアスト・ルター。今は亡き最高評議会が作り出した評議会――権威の円卓のメンバーで、魔導師派遣会社エモーションサービスカンパニーの社長だ。
『お久しぶりです、キュンナ陛下。シスター・プラダマンテも。・・・プライソン、あなたが今回働いた不貞、我が主も大変お怒りです。償いはしっかりして頂くつもりです』
『はあ。さっきキュンナにも言ったが、俺を信じること、味方に入れることがそもそも間違いだ。エーアスト。お前のマイスターであるあのハゲにも伝えておけ。そしてキュンナも聴け。この世界は俺が貰った。俺の為に使わせてもらう。恨めしいか? 憎らしいか? 俺を殺しに来たいのなら来るがいい。以上だ』
プライソンはそう言い放った後、自ら通信を切った。静まり返る通路で、プラダマンテは怒りで肩を震わせている「キュンナ」に優しく声を掛けた。
『キュンナ陛下。ゆりかごはもう諦めましょう。ここまで事が大きくなっては奪取も出来ません。シスター・プラダマンテも、トラバント卿より奪取せよとの指令が下っているそうですが、お気になさらずに。ゆりかごのデータを奪えるだけ奪ってください。それがいつか再誕計画の力となり、それより先の事にも役立つはずです』
エーアストにそう言われ、キュンナは渋々だが「・・・はい」と頷いた。プラダマンテも「了解」と応えた。エーアストも頷き返したところで、彼の映るモニターに激しいノイズが奔り、そしてブツンと強制的に通信が遮断された。
「・・・お兄様には後で謝らないといけないか・・・」
「心中お察しします、シスター」
大きく肩を落とすプラダマンテに、エーアストのおかげで冷静さを取り戻したキュンナが労わった。そんな2人の背後でカタッと金属片が転がった音がした。ハッとして振り返ると、そこには多脚兵器が1機と居て、頭部には1人の女性が腰かけていた。真紅の前髪と後ろ髪は共
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