第四十六話 対策その十
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「そうなるわ」
「家族だからですね」
「そうなる人なら」
夫となる相手もまた、というのだ。
「優花を受け入れて欲しいから」
「そうなるんですね」
「ええ、私にとってはね」
「優子さんかなり深く考えていますね」
「自分でもそう思うわ、けれどね」
「それでもなんですね」
「そうまで考えていかないと」
それこそというのだ。
「あの娘が困るから」
「あいつを困らせない為に」
「何かこうまで考えるとあの娘も困るでしょうけれど」
気兼ねする優花の性格もわかっている、だがそれでもというのだ。
「どうしてもね」
「そこまで、ですね」
「考えないといけないから」
「あいつのことを考えると」
「そうだからね」
「そうなんですね」
「けれどそこまで考えるのは」
優花の相手、そして自分の相手のことをというのだ。
「私達だけでね」
「あいつと優子さんだけで」
「生まれてくる子供達には関係ないわ」
自分、そして優花のというのだ。
「その子達にはね」
「関係ないですか」
「私達は私達でね」
「子供達はですか」
「関係ないわ、犯罪者でもね」
例え罪を犯した者でもとだ、優子は言った。
「子供達には関係ないわね」
「その筈ですね」
「そしてあの娘は何も悪いことはしていないのよ」
性別が変わった、ただそれだけだというのだ。
「それならよ」
「二人だけ、ですか」
「そして相手の人達ね」
「その後はですね」
「関係ないわ」
一切、というのだ。
「子供達にはね」
「親のことは親のことですね」
「そうよ、罪を犯したにしてもそうなのに」
「ましてやあいつは悪いことしていないですから」
「そんなことはね」
「ないですね」
「そうよ、けれど子供は」
こんなこともだ、優子は龍馬に話した。
「欲しいわね」
「結婚したくないとかはですか」
「したいわ」
結婚願望があるというのだ。
「それも結構強い方よ」
「そうなんですね」
「もういい歳だけれどね」
このことは少し苦笑いになってだ、優子は言った。そしてそれは電話の向こうにいる龍馬にもよく伝わった。
「それはね」
「ありますか」
「早いうちにって考えてるわ」
「結婚されてもあいつと一緒に住みますよね」
「そのつもりよ」
優花と、というのだ。
「そうもね」
「そうですか」
「ええ、その時はね」
「何かそうしたお話は俺は」
「あまり、なのね」
「考えたことがなくて」
どうにもとだ、龍馬は優子に自分のことを話した。
「ピンとこないですね」
「君も大人になって就職すればわかるわ」
「そうなったらですね」
「ええ、わかるわ」
その時にというのだ。
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