第四十六話 対策その九
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「そうですよね」
「同性愛はあるけれどね」
「それでもですよね」
「ええ、友情と恋愛は別よ」
このことは事実だとだ、優子は龍馬に答えた。
「そうよ」
「そうですよね、やっぱり」
「だからね」
「そうしたことはですか」
「よくわかっておいてね」
「はい」
龍馬は優子にはっきりと答えた。
「そうさせてもらいます」
「是非ね、それとね」
「それと?」
「貴方は優花に恋愛感情はないわね」
「そういうのはないですね」
優花が女性になってもだ、龍馬は自分に問うたがその結果そうした感情がないことを確かめてからまた答えた。
「どうしても」
「お友達ね」
「そう思いますが」
しかしというのだった。
「ですが女の子、恋人とは」
「考えられないね」
「あいつはあいつとは思ってます」
例え性別が変わってもだ。
「ですが恋人とは」
「そうよね」
「どうしても思えないです」
こう優子に言うのだった。
「俺は」
「わかったわ、ではね」
「そういうことでいいですか」
「いいか悪いかは別にしてね」
「それで、ですか」
「貴方がそうならね」
それならというのだ。
「いいわ」
「そうですか」
「けれど、若しもよ」
こう前置きしてだ、優子は龍馬に敢えて言った。
「龍馬君が優花を女の子としてね」
「好きになってですか」
「優花もそれに応えてくれたら」
その時はというのだ。
「私は貴方達を受け入れるわ」
「そうですか」
「そうするわ、それとね」
「それと?」
「私も結婚するから」
「あっ、そういえば優子さんも」
「ええ、やがてはね」
今すぐではなくとも、というのだった。
「結婚するでしょうから」
「独身ではですか」
「ずっといるつもりはないから」
だからだというのだ。
「やっぱりやがてはね」
「結婚をして」
「家庭を持つわ、けれどその相手の人もね」
「優花のことをですね」
「受け入れられて誰にも言わない人でないと」
そうでなければ、というのだ。
「受け入れられないわ、私自身がね」
「そうですか」
「とてもね」
そうだというのだ。
「あの娘のことを考えたら」
「そうですか」
「やっぱりね」
こう龍馬に言うのだった。
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