暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第44話「近付く報い」
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も多くを占めていたのは、絶望だった。

「こ、こんな事あっていいはずが...!」

 白式は確かにセカンドシフトしていた。
 しかし、それでも戦力に大きな差があったのだ。

「シュテル!レヴィ!ディアーチェ!」

「全員...無事か!?」

 秋十達も、通信を使い、互いの安否を確認していた。
 チヴィット達はエネルギーがほぼなくなり、秋十達のSEも残り僅かになっていた。

「こ、これ以上の活動は不可能です...。」

「...格納領域に避難しててくれ。」

 チヴィット達を格納領域に避難させ、秋十はU-Dを見る。
 弾幕を放った後だからか、さすがに硬直時間があるのかと思うが...。

「まずい....!」

 それは、全くの勘違いだった。
 二度目の高エネルギー反応を感知し、秋十達は戦慄する。
 防御や迎撃、及び阻止は不可能。回避は可能だがどれほどの被害が出るか分からない。

「(四属性を宿して、切り裂くしか...!)」

「...お供するよ、秋兄。」

 そう理解した故に、身を挺してでも迎撃しようと、秋十は構える。
 マドカも少しは威力を減らそうと、ワンオフを構える。

「秋十!?マドカ!?」

 自身を犠牲にしてでも防ごうとする二人に、箒が気づく。
 それと同時に、自身の無力さを痛感してしまう。

「(私がいた所で、何も変わらない...変わらなかった...!)」

 自分が増えた所で何も状況が好転していない事が、箒は悔しかった。

「(何か、何か私に...私にしかできない事は...!)」

 限定的なものであれば、束が紅椿の性能を引き上げてくれるだろう。
 しかし、今はそれを行っても意味がない。

「っ―――!(姉さんは言っていた...!紅椿の単一仕様はエグザミアに似ていると...!)」

 そこで、束の言っていた事を思い出す。
 似ている...という事は、少なくともSEが回復すると考えたのだ。

「...紅椿...どうか、この場だけでもいい。私に...いや、私たちに力を貸してくれ...!」

 それは、一種の懇願に近い想いだった。
 自身が使いこなせないと言っておきながら、その力に頼るなどと、虫のいい話だと箒も理解していた。...だが、それでも頼らなくては勝てないと思ったのだ。

「っ.....!」

 ...しかして、その想いに、紅椿は応えた。

「秋十!マドカ!!」

 すぐさま箒は二人に近づき、そして触れる。

   ―――単一仕様、“絢爛舞踏”

「箒....!?これは...!」

「エネルギーが...!」

 すると、夢追と黒騎士のSEが急速に回復する。
 正しくは、増幅させる事で回復に見えているだ
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