暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第44話「近付く報い」
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。」

「全て自身の思い通りになると思って行動していた...なんとも滑稽ですね。」

「っ、ぁ....!?」

 責め立てるような言葉に、一夏は言葉を詰まらせる。

「力が欲しければあげるよ。ただ、お父さんに喧嘩を売って、お母さんの怒りを買った貴方が、無事に終われると思わないでね。」

「報いの時はすぐそこまで迫っています。今のうちに、覚悟しておく事ですね。」

「ま、待て!」

 言いたい事だけ言い、二人は一夏の前から姿を消す。
 一人取り残された一夏は、ただ頭を抱えるしかなかった。







「.......。」

 むくりと、一夏は治療のために寝かされていたベッドから起きる。
 先ほどの夢の中での記憶はない。

「....ははっ...!」

 だが、受けた肉体ダメージがなくなった事と、“原作”の知識から、白式がセカンドシフトしたのだと確信して笑みを浮かべる。

「今行くぜ...待ってろよ...!」

 そう呟いて、一夏は部屋を出て行った。
 白式から、既に見限られている事を忘れて....。



「.......。」

 ...そして、桜がそれを見ていた事にも、気づかずに...。







「....よし、傷は塞がったな。」

 部屋を出て行った一夏を呆れたような目で見送った桜は、すぐにベッドから起き上がる。
 そして、傷の具合を確かめ、束によって塞がっている事を確認する。

「“白”。」

【行くんだね?】

「まぁ、止めないとな。」

 一夏の夢の中で姿を見せた後、白式...白は桜の持つ媒体に意志を移動させていた。
 そして、桜は体の調子を一通り確かめた後、同じように部屋を後にした。



     ガラッ

「なんだ!今は作戦ちゅ...桜!?」

「状況はどうなってる?」

 桜はそのまま千冬達がいる部屋へ行き、状況を尋ねる。

「お前、出て来ていいのか?」

「教師としての口調が崩れてるぞ。...まぁ、束のおかげだ。」

「いえーい!」

 桜の言葉に束がサムズアップしてドヤ顔をする。

「それで、状況は?秋十君達がいない所を見るに....ユーリちゃんを止めに行ったか。」

「...知っていたのか?」

「あの俺が気絶する寸前、ユーリちゃんが叫んでいたのが聞こえたからな。エグザミアの意志を考えると、ある程度は予測できる。」

「...桜の言った通り、今はエグザミアと交戦中だ。」

 千冬の返答に、桜は“やはりか”と言って少し何かを考える。

「...仕方ない、か。」

「さー君。」

「悪いな。」

 短く簡潔に桜と束は何かのやり取りをする。

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