第一話
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の映像が早送りで流れる。
ああ、これが走馬灯と言うやつか・・・。
父さん・・・母さん・・・真由・・・今から俺も、そっちへ逝く。
そう考える自分めがけて落ちてくる瓦礫・・・それが男に見た最後の光景だった。
「・・・ここは、どこだ?」
背中に感じる感触に目が覚めた男は、身体を起こす。周囲は真っ白な空間で、どこまでも続いてそうな感じだ。
自分はあの時瓦礫を見たのが最後であのまま押しつぶされて死んだはずだ。
なのに・・・五体満足で、どこにも支障は見られなかった。
「困惑しておるようじゃな」
「ッ!? 誰だ!!」
背後から声をかけられ、反射的にその場から飛びのき相手を見る。そこにいたのは白いローブを着た老人だった。
「そう警戒するでない。儂はお主たちの言うところの神じゃ」
「紙?」
「紙ではない、神様じゃ」
「そうか・・・それで、その神様が死んだ俺に何の用ですか?」
俺が問いかけると、うむと頷き。
「お主には転生をしてもらう」
そう言ってきた。
「転生か・・・二次小説とかにあるアレか」
「うむ。お主には別世界に転生してもらいそこで新たな人生を楽しんでほしいのじゃ」
そういうと杖を振り何か呟く。何をしているんだか・・・。
「これでよし。今お主に特典と異世界への転生場所を決めたぞ」
・・・え?
「ちなみに拒否は無じゃ。あと数秒で向こうの世界に送られるぞ」
「ちょっと待て。何勝手に決めてんだ? 俺は行くと言ってはッ」
「それじゃ楽しんでくるのじゃぞ。ばいちゃ」
「だから人の話をッ」
途中で光りが男を包み込んで、一瞬にして消え去った。
「まぁ、人生を楽しめ若人よ」
ホッホッホと笑い、髭を撫でながら神様はその場から消えていった。
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