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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十六話 孤高のスタンドプレイヤー
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り込み、衝撃で肺の空気全てが血液と一緒に吐き出された。

 頭への衝撃も込みで、一瞬だけ視界がブラックアウトしたが、気力で正気に戻す。

 ――――けど、ダメージはそれだけでは終わらない。

「っく……つぅ……ぁぁ」

 無数の血管が破裂したり、切れたりしたのだ。

 それによって臓器や脳に悪影響を及ぼし、全身に激しい痛みをもたらした。

「くっそ……」

 身体強化の代償はこれだ。

 高い速度と攻撃力を手に入れる代わりに防御と耐久面が薄くなる、まさに諸刃の剣。

 全身が爆発しそうなほどの激しい痛みと、今にも倒れてしまいそうほどの目眩。

 今まで、ここまで酷い症状が出たのは初めてだけど、今はそんなことを考えている余裕なんてない。

 すぐにアマネを握り直し、再び疾走する。

「ったく、そこで諦めろっての!」

「嫌だッ!!」

 再び、俺とケイジさんの刃同士が激突する。

 光速を超える者同士の衝撃で地面にクレーターのような窪みと細かい亀裂が入り、大気は爆発のような振動で肌を震わせる。

 鍔迫り合いの中、俺はケイジさんを睨みつけながら叫ぶ。

「俺は、誓ったんだッ!」

 脳裏に金髪の少女の顔が蘇る。

 思い出した彼女の表情に、笑顔はない。

 何かが――――誰かが、彼女の笑顔を邪魔してる。

 彼女の笑顔を、曇らせている存在がいる。

 俺はその存在が許せない。
 
 ほんの僅かな時間を共に過ごしただけだけど、俺は彼女に対して強い感情を抱いた。

 彼女を――――フェイトを、助けたい。

「それは誰に誓ったんだ?」

 冷たく淡々とした問いに、俺は力一杯に叫んだ。

「心だ――――魂だッ!!」

 魔法は想い一つでその真価を発揮する。

 想いが強ければ強いほど、それに比例する。

 俺の握る刃は今まで以上に黒く光、この世の光を奪うほど黒くなり、強い刃に変化する。
 
 それを俺は全ての力を込め、振り下ろした。

 振り下ろした刃はケイジさんの刃とぶつかり合うと、反発し合った魔力同士が膨張し、爆発した。


*****


「ぜぇ、はぁ、はぁ……っはぁ……っ」

 爆発の衝撃で再び壁まで吹き飛ばされた俺は、アマネを支えに立ち上がり、息を荒げていた。

 何度も深呼吸をしているが、なぜか呼吸がままならない。

 続く過呼吸に、全身に力が入らず、脳に送る酸素が不足して目眩が止まらない。

 立っているだけで精一杯で、平衡感覚も乱れてるからいつ倒れてもおかしくない。

 だけど倒れるわけには行かない。

 まだ爆風が俺の前方に広がっており、ケイジさんの姿や気配も捉えられない。

 考えた
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