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SAO─戦士達の物語
MR編
百四十六話 恐れど
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「あの、副部長……SAOって……」
「あぁ、今度の秋にアーガスから発売されるナ―ヴギア用のVRMMORPGゲーム。ナ―ヴギアの開発者の茅場晶彦が直接作ったゲームらしくて、βテストの応募も凄かったんだって」
「VRMMO、RPG……」
RPG、つまり、ロールプレイングゲーム。その言葉に、毎日のようにゲームに没頭していたある背中が、彼女の脳裏に木霊のように浮かぶ。それだけ注目度の高いタイトルなら、もしかしたら、彼もこのゲームに参加するのだろうか……?
勿論、ゲームには初期だけで1万人が参加するという話だし、その後も確実に参加人数は増えるだろう、その中から特定の、しかも、そもそも参加しているかすら分からないようなたった一人に会える確立など、ほとんどない。だが……その可能性を考えたとたん、がぜん興味がわいた。

「よぉし、これでハードは確保した、ソフトを人数分確保するのはきっと凄く難しい、けど、きっとみんなでSAOに参加するぞ!!」
「「「「おぉーーっ!!」」」」

────

PC研究会のSAO入手は、中々に困難だったが、結果として、何とか彼らは人数分、五本のソフトを手に入れることに成功した。そして運命の日……2022年11月6日、SAO正式サービス開始のその日。

[……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の──健闘を祈る]

「……え……?」
彼女の世界はその有りようを、
永久に変えた。

─────

2022年12月後半 麻野美幸 16歳

サチたちPC研究会のメンバーは初め、ひとまず共にログインした東工大付属の面子や、他の二、三の高校のメンバーと共に、始まりの街にこもっていた。しかし毎日の食料や生活用品の為にコルが尽き始め、どうしようもなく困窮し始めると、グループの中で当然意見が割れた。
すなわち、攻略組と呼ばれる物達を追うように自らを強化し始めるか、それともこのあたりだけでのギリギリの狩りをして生きて行くべきか、あるいは、この先も外には出ず、街の中だけで過ごすか、だ。
最も多いのは、二つ目、最低限の狩りを絶対に安全だと判断できる領域内でのみ行い、ある程度の生活だけをするというものだった。多くのメンバーが主張したそのメンバーの中には、美幸の中学時代の同級生で、別の高校のMMO同好会に入った少女の姿もあった。

しかし美幸達PC同好会のリーダー、慶介/ケイタの意見は違った。彼はより高い水準の生活と、この世界からの脱出の為に、積極的なレベル上げと狩りをするべきだと主張したのだ。当然、PC同好会の他のメンバーもまた、それに同調した。他の集まりのメンバーからの参加者はなかったが、それでもPC同好会のメンバーは、全員が彼に賛同した……いや、正確には違う。美幸/
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