72部分:血の絆その一
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嫉妬深い性格であり士官学校で彼より優秀な成績を修めた者を陥れ左遷させた事もある。
フリージ家がレンスターに入ると王妃ヒルダに取り入り彼女の腹心として暗躍した。そしてフリージに反する者の他に自分の出世の邪魔になりそうな者を次々と消していった。同時に民に重税を課し搾り取るだけ搾り取りそれを己が懐に入れた。レイドリック、グスタフと並ぶフリージの悪の象徴と言える人物である。
「ここは迎え撃つべきかと存じます。相手は所詮寄せ集めの烏合の衆、我等の敵ではありません」
巧みに王の関心を買う言葉である。主君が解放軍との戦いを欲しているのを見透かした上で言っているのである。
「そうか。ではこの城に集結している全軍十六万を以って奴等を倒すとするか」
「御意。アルヴィス皇帝陛下も喜ばれる事でしょう」
「うむ。セリス公子、シャナン王子の首級を挙げれば功は思いのままだ。それではカンプフ、その征伐の軍の先陣はそなたが務めるがいい」
「御意」
その言葉を聞きケンプフは内心ほくそ笑んだ。
「そしてヴァンパ、フェトラ、エリウ」
三人の名を呼んだ。それを受けて三人の女魔道師達が立ち上がる。
三人とも同じ灰色の髪と赤い瞳を持っている。その事から彼女達が姉妹である事がわかる。だが服装が違う。
ヴァンパは赤、フェトラは青、エリウは緑の軍服とズボンを身に纏っていある。その色がそれぞれの扱う魔法の属性を表わしている。ヴァンパはファイアーマージ、フェトラはウィンドマージ、エリウはサンダーマージである。三人共フリージ軍にその名を知られた者達である。
「そなた達は第二陣として中軍を率いるがいい」
「御意」
三人は恭しく敬礼した。
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