第3章 リーザス陥落
第95話 戦術的撤退
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「デビルビームΩ!」
両方の腕を前に出し、魔法を撃ち放つ。飛来する岩石を暗黒の魔法で破壊し続けた。
「フェリス!?」
「ったく、世話がやけるな。ほら お前らも下がれ。めいいっぱい力を使うのはここじゃないだろ」
空からユーリ達にそういうフェリス。
全員が その姿を見て感謝の表情を向けるのだが、ユーリだけは違った。
「不味い、フェリス! 空から降りて来い! これだけの備えをしてる連中だ。まだ 兵装がある……っ!!」
市壁の上に配備している影を捕らえる事が出来た。
以上なまでに大きな矢が装填されていて その打ち出すカタパルトは黒く光っている。
攻城兵器――バリスタ。
岩石をぶつけるよりも 遥かに命中精度が上であり、その貫通力も脅威だ。人間よりも大きな矢が恐るべき速度で迫ってくる。
「ぁ……!?」
フェリスがそれを視認した時は遅すぎた。
日光の下だから動きが鈍くなってしまっているという理由が一番であるが、致命的だとも言える。如何に悪魔とはいえ、日光の下でバリスタを体にでも受けてしまえばどうなるか……、火を見るよりも明らかだ。
「くそ……! 二刀煉獄!」
ユーリは 直ぐに剣を鞘に納めつつ もう1つの剣の柄も握り、二刀流の抜刀術の体勢に入った。
バリスタが掃射されたのを見たと同時に、剣を振り抜いた。
「斬光閃!」
交差される閃光の刃は、撃ち放たれたバリスタと同等以上の速度で迫る。
フェリスに直撃するかしないか、その刹那のタイミングで両断し 翅を霞めるだけに留めた。
「あぐっ……!!」
だが、翅を痛めたのは事実だ。それにトーマにやられた傷も完治しているとはいい難い。だからバランスを崩し 空から落下してしまっていた。
それを遠巻きで見ていたランスも少しだけ驚いた様だ。
「………あ、落ちた。空にも対策をしているとは。なかなかやるではないか」
「えっ、あ……! ら、ランスさま。助けに行かなきゃ……!」
「ふん。その必要はない。ユーリのヤツが下にいるのだからな。……あの下僕。オレ様の奴隷に手を出したら許さんからな!」
「あ……」
シィルは確かに見た。落下するフェリスを受け止めているユーリの姿が。
そして、駆けつけるほかのメンバー。
クルック―が回復をさせて、マリアや清十郎 リックが援護をし 志津香も援護に……と思っていたんだけど。
『変なトコ、触ってんじゃないわよ』
と、ユーリの脚を踏み抜いていた。
どうやら、抱きとめた時 ユーリの手がフェリスの胸に当たっていた様だ。……それに抱え直す時には露出気味のフェリスの脚、ふともも……、不可抗力だと言っていいんだけれど、志津香には関係ない
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