暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
顧みられる心
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こに暮らす人々がいて、泣いたり笑ったりしながら毎日を送っている。いや、ほとんどの人にとっては辛いことのほうが遥かに多いだろう。それでも、皆が自分の戦いを日々続けているのだ。

わたしのいるべき場所は__。

アスナは我が家へと続く小道を眺め、次いで上層の底を振り仰いだ。

前線に戻ろう。不意にそう思った。

近い内、再び剣を取り、戦場に戻らなくてはならない。いつまでかかるかわからないが、この世界を終わらせて、皆がもう一度、本当の笑顔を取り戻せるまで戦うのだ。みんなの笑顔、それがユイの望んだことなのだから

「ね、キリト君」

「ん?」

「もしゲームがクリアされて、この世界なくなったら、ユイちゃんはどうなるの?」

「ああ……。実はさっき、ネザーからメッセージが届いたんだ。システムからユイを切り離した時に、クライアントプログラムの環境データの一部として、俺のナーブギアのローカルメモリに保存されるように設定したんだとさ。向こうで、ユイとして展開させるのはちょっと大変だろうけど……きっとなんとかなるさ」

「そっか」

アスナは体の向きを変え、ギュッとキリトに抱き着いた。

「じゃあ、向こうでまたユイちゃんに会えるんだね。わたし達の、初めての子供に」

「ああ。きっと」

アスナは、2人の胸の間で輝くクリスタルを見下ろした。ママ、頑張って……。耳の奥に、かすかにそんな声が聞こえた気がした。

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