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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ユイの謎
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ことではないが、今回は他に人もいないので気にする必要はない。時間があればサポートに徹してユリエールのレベルアップに協力するところだが、今はシンカー救出が最優先である。
あっという間に経験した2時間のうちにも、マップに表示される現在位置と、シンカーが居ると思しき安全エリアは着実な速度で近づき続けた。何匹目とも知れぬ黒い骸骨剣士《デモニッシュ・サーバント》をレ俺の剣がバラバラに吹き飛ばしたその先に、ついに暖かな光の漏れる通路が眼に入った。
「あっ、安全地帯よ!」
アスナが言うと同時に、索敵スキルで確認したのかキリトが頷いた。
「奥にプレイヤーが1人いる。グリーンだ」
「シンカー!」
もう我慢できないというふうに一声叫んだユリエールが走り始めた。剣を右手に下げた俺と、2本の剣を両手に下げたキリトと、ユイを抱いたアスナも慌ててその後を追う。
右に
湾曲
(
わんきょく
)
した通路を、明かり目指して数秒間走ると、やがて前方に大きな十字路と、その先にある小部屋が眼に入った。
部屋は、暗闇に慣れた眼には
眩
(
まばゆ
)
いほどの光に満ち、その入り口に1人の男性プレイヤーが立っていた逆光のせいで顔は良く見えないが、こちらに向かって激しく両腕を振り回している。
「ユリエーーール!!」
こちらの姿を確認した途端、男が大声で名を呼んだ。ユリエールも左手を振り、いっそう走る速度を速める。
「シンカーーー!!」
涙混じりのその声にかさぶるように、男の絶叫が……。
「来ちゃダメだーーっ!!その通路は……っ!!」
それを聞いて、アスナはギョッとして走る速度を緩めた。だがユリエールにはもう聞こえていないらしい。部屋に向かって一直線に駆け寄っていく。
その時。
部屋の手前数メートルで、4人の走る通路と直角に交わっている道の右側死角部分に、、不意に黄色いカーソルが1つ出現した。アスナは素早く名前を確認した。
表示は《The fatal-scythe》。
運命の
鎌
(
かま
)
という意味であろう固有名を飾る
定冠詞
(
ていかんし
)
。ボスモンスターの証だ。
「ダメーっ!!ユリエールさん、戻って!!」
アスナは絶叫した。黄色いカーソルは、スウッと左に動き、十字の交差点へ近づいてくる。
このままでは出会い頭にユリエールと衝突する。もう数秒もない。
「くっ!!」
突然、アスナの左前方を走っていた俺が、かき消えたように見えた。
実際は恐ろしい速度でダッシュしたのだ。ズバンという衝撃音が周囲の壁を震わせる。
瞬間移動にも等しい勢いで数メートルの距離を移動した俺は、背後から右手でユリエールの体を抱きかかえると、左手の剣を床石に思い切り突き立てた。凄まじい金属音。大量の花火。空気が焦げる
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