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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
救出依頼
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オウは配下の中で、最もハイレベルのプレイヤー達による攻略パーティーを組ませ、最前線のボス攻略に送り出したんです」

「コーバッツ……」

俺は、思わずキリトとアスナの顔を見合わせた。第74層迷宮区のフロアボス《ザ・グリームアイズ》にロクな準備もせずに挑み、無残に散った軍所属プレイヤー《コーバッツ》の一件は記憶に新しいところだ。

「いかにハイレベルと言っても、元々我々は攻略組のあなた方に比べれば力不足は(いな)めません。……結果、パーティーは退散、隊長のコーバッツ氏が死亡という最悪の結果にキバオウは強く糾弾(きゅうだん)され、もう少しで彼をギルドから追放できるところまで行ったのですが……」

ユリエールは高い鼻梁(びりょう)(しわ)を寄せ、唇を噛んだ。

「追い詰められたキバオウは、シンカーを罠に掛けるという強攻策に出ました。……シンカーを、ダンジョン奥深くに、置き去りにしたんです」

「え……!?」

「転移結晶は!?」

アスナは驚愕。反射的に訪ねたキリトに、ユリエールは小さく首を横に振った。

「シンカーは好い人過ぎたんです。キバオウの『丸腰で話し合おう』という言葉を信じたせいで、非武装で出かけてしまって……。3日前のことです」

「じゃあ、シンカーはどうなったんだ?」

俺の問いに、ユリエールは俯いたまま答えた。

「《生命の碑》の彼の名前は無事なので、おそらく安全地帯に身を潜めていると思います。ただ、場所がかなりハイレベルなダンジョンの奥なので身動きが取れないようで……ご存知の通りダンジョンにはメッセージを送れませんし、中からはギルドストレージにアクセスできませんから、転移結晶を届けることもできないんです」

出口を死地ど真ん中に設定した回廊結晶を使う殺人は《ポータルPK》というメジャーな手法で、当然シンカーも知っていたはずだ。しかし、反目していたとは言え、よもや同じギルドのサブリーダーがそこまでするとは思わなかったのだろう。あるいは、思いたくなかったのか。

「……ギルドリーダーの証である《約定のスクロール》を操作できるのはシンカーとキバオウだけ。このままシンカーが戻らなければ、ギルドの一事や会計まで全てキバオウにいいようにされてしまいます。シンカーが罠に落ちるのを防げなかったのは、彼の副官である私の責任です。しかし、彼が幽閉されたダンジョンはとても私のレベルでは突破できませんし、キバオウが睨みを利かせる中では、軍の助力はアテにできません」

ギュッと唇を噛んでから、俺を、そしてキリトとアスナをまっすぐに見つめてくる。

「そんなところに、恐ろしく強い剣士とその連れが2名街に現れたという話を聞きつけ、その剣士が《神速》とうたわれたネザーさん、そして連れの2名が《黒の剣士》キリト
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