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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
救出依頼
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と、俺はお茶のカップを置き、話し始めた。
「サーシャ」
「はい?」
「……軍のことだが、俺が知る限り、あの連中は
専横
(
せんおう
)
が過ぎることは何度もあったが、治安維持をしていたはずだ。だが昨日の奴らは、むしろ極端的にオレンジプレイヤーに近い。いつからああなった?」
サーシャは口元を引き締めると、答えた。
「方針が変更された感じがしたのは、半年くらい前ですね……。徴税と称して
恐喝
(
きょうかつ
)
まがいの行為を始めた人達と、それを逆に取り締まる人達もいて。軍のメンバー同士で対立してる場面も何度も見ました。噂によると、上にほうで権力争いか何かがあったみたいで……」
「……今の軍メンバーは、1000人以上いると聞く。昨日みたいなことが日常的に行われてるなら、奴が放置するとは思えないがな……」
「奴?」
奴、という言葉の嫌そうな響きでそれが誰を意味するか察したアスナは、笑みを噛み殺しながら言った。
「知ってる、んじゃないかな?《ヒースクリフ》団長は軍の動向にも詳しいし。でもあの人、何て言うか……ハイレベルの攻略プレイヤー以外には興味なさそうなんだよね。ネザー君のこととかは昔からあれこれ聞かれたけど、殺人ギルドの《ラフィン・コフィン》討伐の時なんか、任せる、の一言だけだったし。だから多分、軍をどうにかするために攻略組を動かしたりとかはしないと思うよ」
「別に軍をどうにかしてくれなんて、
端
(
はな
)
から頼むつもりはない」
俺にとって、軍の有り様などどうでもいいのだ。元々はユイという少女の正体を探るためにキリト達に付き添っただけに過ぎない。面倒事に首を突っ込めば、それが必ず自分に更なる苦しみを与えることになり
兼
(
か
)
ねない。
顔をしかめて物思いに
耽
(
ふけ
)
ってる俺が、不意に顔を上げ、教会の入り口のほうを見やった。
「誰か来る。1人……」
「え……。またお客様かしら?」
サーシャの言葉に重なるように、館内い音高くノックの音が響いた。
腰に短剣を吊るしたサーシャと、念のために付いていったキリトに
伴
(
ともな
)
われて食堂に入ってきたのは、長身の女性プレイヤーだった。
銀色の長いポニーテールに束ね、
怜悧
(
れいり
)
という言葉がよく似合う、鋭く整った顔立ちの中で空色の瞳が印象的な光を放っている。
髪型、髪色、更に瞳の色までも自由にカスタマイズできるSAOだが、大元の素材が日本人であるため、このような強烈な色彩設定が似合うプレイヤーはかなり少ないと言える。俺の場合、自分は西洋人だから関係はない。
鉄灰色のケープに隠されているが、女性プレイヤーが身に纏う濃緑色の上着と
大腿部
(
だいたいぶ
)
がゆったりとしたズボン、ステンレススチール風に鈍く輝く金属鎧は、間違いなく《軍》の
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