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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
捜索
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たんです」

俺はいつも通りの戦闘服と装備を身につけているが、キリトとアスナは剣は(おろ)か戦闘用の防具1つ身に着けていない。軍所属のプレイヤーは常にユニフォームの重武装を(まと)っているので、格好だけでも《軍》とは無関係であることがわかってもらえたはずだ。

やがて、ドアがキイッと開くと、1人の女性プレイヤーがおずおずと姿を現した。

茶色のショートヘア、黒緑の大きなメガネをかけ、その奥で怯えを(はら)んだ深緑色の瞳をいっぱいに見開いている。簡素な濃紺のプレーンドレスを身に纏い、手には鞘に収められた小さな短剣。

「本当に……軍の徴税隊じゃないんですね……?」

アスナは安心させるように女性に微笑みかけると、頷いた。

「ええ、わたし達は人を探していて、今日上から来たばかりなんです。軍とは何も関係ありませんよ」

その途端。

「上から!?ってことは本物の剣士なのかよ!?」

(かん)(だか)い、少年めいた叫び声と共に、女性の背後のドアが大きく開き、中から数人の人影がバラバラと走り出してきた。直後、祭壇の左のドアも開け放たれ、同じく数名が駆け出してくる。

呆気にとられた俺達が声もなく見る中、メガネの女性の両脇(りょうわき)にズラリと並んだのは、どれも幼い少年少女と言っていいくらいの若いプレイヤー達だった。下は11歳、上は13歳と言ったところだろう。皆が興味津々(きょうみしんしん)に3人を眺め回している。

「こら、あなた達、部屋に隠れてなさいって言ったじゃない!」

慌てたように子供達を押し戻そうとする女性だけが20歳前後と思われる。最も、誰1人として命令に従う子はいない。

だが子供達はキリトとアスナが私服姿でいることから2人は剣士ではないと認識し、失望した感じになった。

しかし、お馴染みの戦闘服と片手剣を装備していた俺だけはしっかり剣士として認識され、子供達の注目の的になった。

赤毛の短髪をツンツン逆立てた少年が真っ先に叫び声を上げた。

「スゲェー!兄ちゃん、本物の剣士なの!?かっこいいじゃん!」

「あ……その……」

子供達の顔はなおも輝き続け、「何かやって」「剣を振って」などと口々に言い(つの)られ、俺は珍しく戸惑う羽目に追い込まれた。

「こらっ、初対面の方に失礼なこと言っちゃダメでしょう。すみません、普段お客様なんてまるでないものですから……」

いかにも恐縮したように頭を下げるメガネの女性に向かって、謝罪するのは当然か……、と思いながら一応納得した。

それよりも、自分より幼い子供達にこれだけ注目されることが不思議で仕方なかった。

自分が剣士だという理由で子供達に注目されてるのはわかってるが、顔の傷痕を見ても煙たがり、忌み嫌うような
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