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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
迷子
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これ以上考えてもしょうがない、よね……」
アスナは肩を
竦
(
すく
)
めると、改めてユイの指を動かし、アイテム欄を開かせた。その表面にテーブルから取り上げたセーターを置くと、一瞬の光を発してアイテムはウィンドウに格納された。次いでセーターの名前をドラッグし、装備フィギュアへとドロップする。
直後、鈴の音のような効果音と共に言いの体が光の粒に包まれ、
淡
(
あわ
)
いピンクのセーターがオブジェクト化された。
「わあ!」
ユイは顔を輝かせ、両手を広げて自分の体を見下ろした。アスナは更に同系色のスカートに黒いタイツ、赤い靴を次々と少女に装備させ、最後に元々着ていた白いワンピースをアイテム欄に戻すとウィンドウを消去した。
すっかり
装
(
よそお
)
いを改めてユイは嬉しそうに、フワフワしたセーターの生地に頬を
擦
(
こす
)
りつけたり、スカートの裾を引っ張ったりしている。
「さ、じゃあお出かけしようね」
「うん。パパ、だっこ」
屈託
(
くったく
)
なく両手を伸ばすユイに、キリトは照れたように苦笑しながら少女の体を横抱きに抱え上げた。そのままちらりと、俺とアスナの2人に眼を向け、言う
「アスナ、ネザー、一応すぐ武装できるように準備しといてくれ。街からは出ないつもりだけど……あそこは《軍》のテリトリーだからな……」
「ん……。気を抜かないほうがいいね」
「抗ってくるなら……全て返り討ちにするだけのこと」
お互い頷いて、素早く自分のアイテム欄を確認すると、アスナはキリトと連れ立ってドアへと歩き出し、後を追うように俺もついて行った。少女の保護者な動揺も感じてしまう。出会ってわずか1日で、ユイはアスナの心の柔らかい部分をすっかり占領してしまったかのようだった。
第1層《はじまりの街》に降り立ったのは実に数ヶ月ぶりのことだった。
俺は複雑な
感慨
(
かんがい
)
を覚えながら、転移門を出たところで立ち止まり、巨大な広場とその向こうに横たわる街並みをグルリと見渡した。
もちろんここはアインクラッド最大の都市であり、冒険に必要な機能は他のどの都市よりも充実している。物価も安く、宿屋の
類
(
たぐい
)
も大量に存在し、効率だけを考えるならここをベースタウンにするのが最も適している。
だが、俺の知り合いに関して言えば、ハイレベルのプレイヤーで未だに《はじまりの街》に留まっている者はいない。《軍》の
専横
(
せんおう
)
も理由の1つだろうが、何よりこの中央広場に立って上空を
仰
(
あお
)
ぐと、あの時のことを思い出さざるを得ないからだ。
《ソードアート・オンライン》という名のゲーム。最初はほんの気まぐれだった。
茅場と出会ってからの俺は、世界の創造、異世界の実在、世界の法則といった話にのめり込み、魅力さえ感じた。彼の弟子
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