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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
迷子
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()ぎる。

サンドイッチを(たい)らげ、満足そうにミルクティーを飲むユイに向かって、アスナは言った。

「ユイちゃん、午後はちょっとお出かけしようね」

「おでかけ?」

キョトンとした顔のユイに向かって、どう説明したものか迷っているキリトが言った。

「ユイの友達を探しに行くんだ」

「ともだち……って、なに?」

その答えに、思わず2人は顔を見合わせてしまう。ユイの《症状》には不可能な点が多い。単純に精神的年齢が後退していると言うよりは、記憶が所々(ところどころ)消滅しているような印象がある。

その状態を改善させるためにも、本当の保護者を見つけるべきである。アスナは自分にそう言い聞かせ、ユイに向かって答えた。

「お友達っていうのは、ユイちゃんのことを助けてくれる人のことだよ。さ、準備しよう」

ユイはまだ(いぶか)しそうな顔だったが、こくりと頷いて立ち上がった。

少女の(まと)う白いワンピースは、短いパフスリーブで生地も薄く、初冬のこの季節に外出するにはいかないにも寒そうだ。もっとも寒いと言ってもそれで風邪を引くなどのダメージを受けたりするわけではないが、不快な感覚であることに変わりはない。

アスナはアイテムリストをスクロールさせて次々と厚手の衣類を実体化させ、どうにかユイに似合いそうなセーターを発見すると、そこではたと動きを止める。

通常、衣類を装備する時はステータスウィンドウから装備フィギュアを操作することになる。

布や液体などの柔らかいオブジェクトの再現はSAOの苦手分野であり、衣類は独立したオブジェクトと言うよりは肉体の一部として扱われているからだ。

アスナの途惑いを察し、俺はユイに訪ねた。

「おい、ウィンドウは開けるのか?」

(あん)(じょう)ユイは何のことかわからないように首を(かし)げる。

「右手の指を振るんだ。こんな感じに」

俺が指を振ると、手の下に四角い窓が出現した。それを見たユイは覚束(おぼつか)ない手つきで動きを真似たが、ウィンドウが開くことはなかった。

「……NPCだとしても、ウィンドウが開けないのは致命的すぎる……。お前……一体何者だ?」

最初にユイと会った時と変わらず、俺は怪しいと感じ続けてる。その時、ムキになって右手の指を振っていたユイが、今度は左手を振った。途端、手の下に発光するウィンドウが表示された。

「でた!」

嬉しそうにニッコリ笑うユイの頭上で、アスナは呆気に取られてキリトと顔を見合わせた。

「ユイちゃん、ちょっと見せてね」

アスナはかがみ込むと、ユイのウィンドウを覗き込んだ。ステータスは通常本人にしか見ることができず、そこには無地の画面が広がっているだけだ。

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