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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
朝露の少女
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って言うんだな。長い、黒い髪に、白い服。ゆっくり、木立の向こうを歩いていく。モンスターでなければプレイヤー、そう思って視線を合わせたら……カーソルが、出ない」
「ひっ……」
思わず喉の奥で小さな声を漏らしてしまうアスナ。
「そんなわけはない。そう思いながら、よせばいいのに近づいた。その上声をかけた。そしたら女の子がピタリと立ち止まって……こっちをゆっくり振り向こうと……」
「も、も、もう、や、やめて……」
「そこでその男は気がついた。女の子の、白い服が月明かりに照らされて、その向こう側の木が透けて見える」
「!!」
必死に悲鳴を
堪
(
こら
)
えながら、ギュッとキリトの髪を掴んだ。
「女の子が完全に振り向いたら終わりだ、そう思って男はそりゃあ走ったそうだ。ようやく遠くに村の明かりを見えてきて、ここまでくれば大丈夫、と立ち止まって……ひょいっと後ろを振り返ったら……」
「っ!?」
「誰もいなかったとさ。めでたしめでたし」
「……き、き、キリト君の、バカーーーっ!!」
肩から飛び降り、背中を本気でどつくべく拳を振り上げた。
バカバカしい光景に呆れた俺には、ため息を吐くことしかできなかった。
__その時だった。
昼なお暗い森の奥、3人からかなり離れた
針葉樹
(
しんようじゅ
)
の
幹
(
みき
)
の傍らに、白いものがチラリと見えた。
とてつもなく嫌な予感をひしひしと感じたアスナは、その何かに恐る恐る視線を凝らした。俺ほどではないが、アスナの索敵スキルもかなりの練度に達している。自動的にスキルによる補正が適用され、視線を集中している部分の解像度がぐんと上昇する。
白い何かは、ゆっくりと風にはためいているように見えた。植物ではない。岩でもない。布だ。更に言えば、シンプルなラインのワンピースだ。その
裾
(
すそ
)
から覗いているのは、2本の細い足。
少女が立っている。キリトの話にあったのと
寸分
(
すんぶん
)
違わぬ白いワンピースを
纏
(
まと
)
った幼い少女が無言で
佇
(
たたず
)
み、2人をジッと見ている。
スウッと意識が薄れかかるのを感じながら、アスナはどうにか口を開いた。ほとんど空気だけの掠れ声を絞り出す。
「ふ……2人とも、あそこ」
キリトがさっとアスナの視線を追った。直後、キリトの体もビクリと
硬直
(
こうちょく
)
する。
「う、嘘だろおい……」
少女は動かない。3人から数メートル離れた場所に立ち、ジッとこちらを見つめている。
……ヴァーミンじゃないのか?
俺の眼に捉えたその少女からは特有の気配が感じられない。
もし、少しでもこっちに近づいてきたら、わたし気絶しちゃうよ、と思ってアスナが覚悟を決めたその時。
フラリ__とその少女の体が揺れた。動力の
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