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提督はBarにいる。
艦娘とスイーツと提督と・11
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ですよ?」

 そう言ってニヤリと、意地の悪い笑みを浮かべた。加賀は狙っていたのだ。その扇情的な服装も、妖艶な微笑みも。俺に獣になってもらおうという彼女なりの挑発だったのだ。全く、どこでこんな手練手管を覚えて来たんだ?教え込んだ奴の顔を見てみたい。

「理由を聞いても?」

 俺がそう尋ねると、お前は何を言っているんだという顔で首を傾げる加賀。

「妻が夫に抱いて欲しいという欲求に、理由が要るのかしら?」

 わーお、なんともド直球。しかし、それだけじゃねぇだろう。

「バレンタインデーの時のリベンジ、か?」

 俺がそう言うと、加賀はプイッと視線を反らし、軽くプルプルし始めた。耳が真っ赤に染まっているのを見る限り、図星を突かれて恥ずかしくなっているのを必死で誤魔化している(つもり)らしい。あのバレンタインデーの時の甘えっぷりは、やはりそういうサインだったのだ。ハァ、と大きく溜め息を吐いて加賀に向き直る。

「加賀」

「なにかし……ンッ!?」

 不意打ちでその唇を奪う。口内に舌で侵入し、絡め合う濃厚なヤツだ。たっぷり30秒はくっついていると、苦しくなったのか肩をタップされた。

「い、いきなり何を……」

「何って、ナニだろ?」

 火を点けたのはお前だ、その責任は取って貰おうじゃないか。その身体で、たっぷりとな。その後、3時間はたっぷりとお相手してやり、加賀も満足したのか白目を剥いて、応接セットのテーブルの上で大の字になっている。途中、『ベッドに移動して』とか『せめて鍵はかけて』とイヤイヤしながらそんな事を叫んではいたが、人の気配が執務室前を通る度に身体が反応していたので口からでまかせだろう、という事にしておいた。


〜その頃執務室前では〜

「うわ、音駄々漏れだよコレ」

「まぁ、提督さんの事だから解ってやってるよね?これ」

「相変わらずドSだねぇ、提督は」

 等と、もはや日常でしょうという会話が交わされていた。そして執務室のドアノブには、

『提督お楽しみ中?砂糖を吐いて死ぬ覚悟のある者だけ入室を許可する』

 という提げ札が掛けられていた。意外とウチの娘達は空気を読めるのだ。読もうとするかは別にして。翌日、二航戦の二人が加賀の八つ当たりとも取れる尻のスパンキングに遭い、入渠ドックに放り込まれるという事件が発生したが、それはまた別の話。
 
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