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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第245話 ボスを倒したいU
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いた。使用していた付与の効果が切れたからかけ直している。

 このボス相手には心許ない、焼け石に水、と言えるかもしれないがそれでもその効力は非常に魅力的であるレイナの戦いの歌(バトルカンタービレ)

 戦力アップの付与の歌は 皆の時間を精一杯稼いでくれている。その高い効果を持つ歌である為か、或いはその歌声に魅了されてしまったとでもいうのか 標的にされてしまうリスクが高いかった。よくよく考えてみれば、ボス戦で歌声を響かせている為仕方のない事だろう。

「シウネー!」
「はい。任せてください!」

 この時だけ、アスナの手には杖の代わりに細剣が握られているのだ。レイナをカバーする為に。

 これらを完全にパターン化して この少人数で出来うる最高の攻撃方法で攻め続けているのは間違いない。
 だが、それでも攻撃をする時にはどうしてもダメージが通らないのが実情だ。
 
 更に凶悪なのが、時折見せる四本ある巨腕を交差させて取る防御姿勢。
 それは、身体の中心線を覆い隠すだけでなく、隠され切れていない他の部位に至ってもまるで鋼鉄にでもなったかの様に堅くなるのだ。凶悪な防御力はこちらの如何なる連撃にも魔法攻撃でも、ソードスキルであっても 全てを弾いてくる。そのせいで徒労感も増していってしまっているのだ。

「負けないっ!」
「まだまだだよ!」

 そんな徒労感に見舞われても 最初から勢いが殆ど衰える事が無いのが、絶剣と剣聖。ユウキとランの2人だった。他のメンバー ジュンやノリ、タルケン、テッチも憔悴しているとまではいかずとも、肩で息をしている場面が見て取れる。
 だというのに、先頭にたっているリーダー2人は憔悴の色は勿論、疲れている様子も見えない。凶悪極まりない多腕の攻撃、多彩な槌の攻撃や変則な攻撃軌道の鎖を軽快で華麗なステップで掻い潜り続けている。
 鎖の防御は 剣で約1秒間だけ受け止め 後は鎖を滑らせる様に剣を添え続けると 衝撃(ノックバック)をキャンセルする事が出来る。判定があるのは鎖が当たった1点のみの様で、動かす事で判定を変え続ける事が出来る様だ。

 勿論、それもリュウキの攻略法ではあるのだが、こうまでものの見事に体現してしまう2人の技術にはやはり感服する。

 2人を支えるのは、超絶的な反射速度 そして 防御や攻撃の要の観察眼。其々が持つユニークスキルだと言っていいものだけではなかった。

 キリトやリュウキ……、あの世界で最前線を戦い続けてきた者達にも匹敵する強靭な意思の強さを 見た気がした。


――必ず倒す。倒して見せる。


 その1つ1つの気持ちの強さが、剣へと宿り数少ない攻撃チャンスで当て続けている。
 あの巨人にとっては小さく拙い攻撃なのかもしれない。だけど、それでも何度
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