第十話「少女が見た青い雷光」
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引き離して離陸した。
「んだっテメェ! 誰がザコだぁ!?」
「殺すー!」
「惨殺!!」
「こっちだ! こっちにこい! 三馬鹿共!!」
なおかつ挑発してシャルロットから引き離すことに成功したユーマは頃合いを見て腰から二刀の刀を交差に引き抜いた。
しかし、やはり戦況は序盤の夜戦と同じ結果になる。三体のガンダムによる連携攻撃を立て続けに食らい続けるユーマに勝機などない。
「ユーマ!」
追いつくシャルロットだが、それを目にユーマは叫ぶ。
「よせ! 来ちゃダメだ……」
「もらったー!」
フォビドゥンの鎌が、イフリート改の背部を切りつけた。
「ぐあぁ……!」
そのダメージは大きく、傷も深かった。機体はそのまま噴水へと墜落し、噴水は全壊して、イフリート改も噴水の水に浸りまがら倒れた。そして、その赤いモノアイの光が失ってしまった……
「ユーマ!?」
シャルロットは彼の元へ向かおうにも、三機のガンダムがその行く手を阻む。
「もっと楽しませろよ!?」
「つまんねーからさ?」
「ハハハハハ! 虐殺!!」
そして、シャルロットもまた三体のガンダムの攻撃を立て続けに受けることとなり、彼らの繰り出す攻撃がじわじわと彼女を痛めつける。
「……」
噴水に墜落したイフリート改のユーマはふと目を覚ました。しかし、機体が思うように動かない。モノアイによる視界も閉ざされ、暗闇の中で彼はもがき続けた。
「くそっ! 動け! 動いてくれ……!?」
身体を動かそうにも、イフリート改の手足は動こうともしない。解除して脱出する以外の道は閉ざされてしまったのだ。
「頼む、動いてくれ! イフリート!? 今、ここで動かないと、シャルが……!!」
大切な娘を守れないまま死ぬのなんて絶対に嫌だ。だから、命と引き換えになってもいい、動いてほしい。
「動け! 動いてよ!? 今戦わないと、大切な人が守れなくなるんだ!? 頼む、少しでもいい、動いてくれ!? 俺に……守るための力を!!」
『その言葉は本当?』
「!?」
その少女の声は彼の脳内へ響くように聞こえてきた。
「お前は……!?」
『あの子を守りたい気持ちは、本物? 今は、その意を答えて?』
「……本当だ。本当だよ! だから、頼む。俺に力を……守るための力を与えてくれ!」
『……』
少女の声は黙った。しかし、同時にイフリートのモノアイは目を覚まし、視界を取り戻したのだ。さらに、機械音と共にイフリート改は立ち上がれた。そして、機体が青い光に覆い包まれ、モノアイの光がさらに眼光の力を増す。
「う、動いた……!?」
『ユーマ……その思いが本物だということは、今は信じてあげる。だから、貴方の大切な人のもとへ行きなさい!』
「ありがとう……」
イフリート改はバーニアを吹かし、そして上空へとびだった。
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