第十話「少女が見た青い雷光」
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へ戻ったが、しかし彼の意識は突然遠のいていき、シャルロットの前で倒れた。
「ユーマ!?」
傷ついた身体も忘れて、シャルロットは彼の元へ駆け寄った。
*
「……!?」
ユーマは、次に目を覚ますと、そこは教会の中だった。手当をされながらベッドに寝かされていたのである。
「気づいたようだね?」
神父が、薬箱を抱えて微笑んでいた。
「もう心配はない。ただ、かなりの疲労が溜まっていたようだね? ここ、三日間も眠り続けていたのだよ? それに彼女も……」
神父がそういうと、彼はユーマの手元を見た。そこには、彼の手を握りしめたままシャルロットが眠っている。
「シャル……」
「ユーマの看病をずっとしてくれていたのさ。シャルロットもかなりの傷なのに、自分よりもユーマのことしか言わなかった……」
「……」
その後、シャルはユーマの声に目を覚まし、二人は互いに抱き合って喜びを分かち合った。
ユーマは、あの戦闘を切っ掛けに、自分がどういう状況に置かれているのかと自分の正体をシャルロットに告白した。
「……そうなの、ユーマはジオンからきた……」
「俺を殺すために、また襲いに来るかもしれない……だから、やっぱりシャルは俺から離れないとだめだ。傷が治ったら、パリを出るよ」
「ユーマ……」
だが、そんなシャルロットも決心したかのように立ち上がると、彼にこう告げた。
「やっぱり……私も、ユーマと一緒についていく!」
「何言ってんだ! また、奴らが襲い掛かってきたら……」
「だからって、ユーマを独りぼっちにさせたくないよ! お願い、連れて行って?」
「シャル……」
この先も、彼女を守れるかどうかもわからないが、しかしまた孤独になるのだけは嫌だった。それなら、命に代えてでも守っていきたい。ユーマはそう見出す。
「……わかった。けど、この先どこへ行けばいいのかもわからないまま旅するから保障はないぞ?」
「それなら、知ってる場所があるの。『MS学園』! そこに行けば何とかなるから」
「MS学園……?」
確か、それもジョニーから聞いた。IS学園よりかは批判していなかったから、おそらくマシなところだと思う。
「私の親戚の伯父さんがMS学園の教頭をしているの。きっと、話せばかくまってもらえるよ!」
「わかった。なら、できるだけ早くここを出よう? シャルの方も追手が来そうだし」
「うん、そうだね? 私も早くこの傷、治さなくちゃ」
互いの傷を見ながら、微笑み合う二人を見て神父もまた優し気に微笑んだ。
その後、二人は神父の伝手によってとあるタンカー船に乗せてもらい、MS学園のある日本へ向かってフランスを出港した。
「今更だけど、巻き込んじゃったかな?」
海風に仰ぐ二人は甲板の上に立ち、海を眺めながらユーマはそうシャルロットに問う。
「もう、そん
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