第十話「少女が見た青い雷光」
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フランス付近の上空より、いくつもの光が走った。地上の何気もない平和な街に比べて、上空の闇では激しい戦闘が繰り広げられていた。
「もらったぁ!!」
黒いガンダムの、口部より発射されたビームが夜の雲を貫く。
「……!?」
雲を貫くその閃光をかわす青い機体に、隙を与えず追い詰める三体のガンダム達。
「死ねー!」
緑色のガンダムが振り下ろす巨大な鎌に対し、二刀の刀で受け止める青い機体。しかし、そんな彼の背後から、水色のガンダムが背負う巨大な二つの砲身より図太いビームが放たれる。
しかし、それを間一髪で避けた青い機体だが、その背後を最初の黒いガンダムが取り出した鉄球を振り回して襲いかかった。
それに、回避する余裕はなく、鉄球の打撃を食らった青い機体は、そのまま体勢を崩し、ひらひらとパリ上空の夜空を降下して市街部へ消えていった……
「死んだー?」
緑色のガンダムが二体に問う。
「どうだかな?」
と、水色のガンダム。
「さっさと帰ろうぜ?」
黒いガンダムは言うと、時期に三機のガンダムは任務を終えたと自己的にまとめて母艦へと帰還していった。
*
「ローゼス・ビットッ!!」
パリのガンダムファイト専用競技場にて、フランス代表のガンダムファイター、ジョルジュ・ド・サンドが繰り出す華麗なビットのオールレンジ攻撃を目に観客席は、手に汗握るパリ市民でいっぱいになっていた。
「ジョルジュ様ー!」
観客席の中で、もっとも興奮状態でいたのが一人の少女。あのISの大手企業デュノア社の令嬢、シャルロット・デュノアであった。
元は、デュノア社長との間にできた不倫相手の娘であったが、母親が死んだために行く当てもないところを、ISの適性が強いということで会社の看板として引き取られた。今となっては、フランスの代表候補生だ。
しかし、そんな彼女でも決して幸せな生活はしていない。何よりも、社長の正妻から虐待を強いられる日々が続いている。さらに父親でさえ、彼女に対して父性のひとかけらも出さず、彼女を物のように冷遇している。
表向きは、デュノア社の看板娘を演じ、裏側では不倫相手の娘というレッテルで正妻からひどい虐待を受け、そんな状況を父親は見て見ぬふりを続けている。
しかし……
「ジョルジュ様〜……」
そんな、心身ともに傷ついた彼女を唯一癒す存在が、フランス代表のガンダムファイター、ジョルジュ・ド・サンドと、彼の駆るガンダムローズが繰り出す華麗な戦いぶりであった。
ISやらMSやらとは関係なく、もはやジョルジュはフランス中の女性たちにとって王子様キャラとして愛されていた。
――かっこいいな〜! 私にも、ジョルジュ様みたいな王子様が居てくれたらなぁ……
しかし、ジョルジュの試合が終わってしまえばすぐにもシャルロットは現実に連れ戻される。もっと、ジョルジュ様
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