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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
砲火
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を現した。
背丈は普通。スプリガンはケットシーと同じく、全種族の中では
壁面走行
(
ウォールラン
)
もできる軽量小柄な部類のため、それに照らし合わせればやや高いという風になるのだろうか、とケットシーの中では相当珍しい高身長のヒスイは適当に思う。
装備は遠目に見た限り、隠蔽性の高い地味めな黒地のコート。
軽鎧
(
ライトアーマー
)
の類は身に着けておらず、革鎧も見受けられない。圏内ということで、武装は解除しているようだ。
その姿に、知らず顔見知りのとある男を重ね、女性は静かに首を振る。
―――似てるだけや。それで腹立てるんは、さすがに子供すぎるで。
ケットシー軍全員が見守る中、ジックラドから出てきたそのプレイヤーはゆるりと顔を巡らし、声を張り上げた。
「俺はスプリガン領主、ファナハンだ!これはいったいどういうことだ!」
拡声魔法を使った形跡はないが、よく通る声だ。減衰エフェクトをまったく受け付けていない。
いい指揮官になりそうだ、との第一評価を下し、ヒスイは一人ごちる。
「ほー、あれが領主かいな」
すると、近くを滞空していたドラグーン隊の一人が口を開いた。
「意外ですね。もっと閉じこもるとばかり」
「あっちとしちゃ、あてらの勘違いで済まそうとか考えてるんやろ。早めに否定しとかんと、民の心も離れるしな。出てくるタイミングとしては……ま、及第点とちゃうん?」
まぁもう遅いがな、という言葉を噛み潰し、ヒスイは再び夜空に声を乗せる。
「どういうこととは、けったいなこと言うなぁ。何でこうなってるかは、判ってはると思てたがな」
「何を馬鹿なことを……。我々スプリガンとケットシーとの関連性は薄いだろう!貴領と交易も結べていない我が領に、このような軍事行動とはいかなる了見か!」
―――おやおや。
激昂するスプリガン領主に対し、ヒスイはどこまでも余裕の表情を崩さない。どころか、含み笑いの苦笑を口元に浮かべた。
―――領主自らが、自分の種族を貶めてどうすんねんな。あんさんのコンプレックスが丸出しやぞ、小僧。
滴るような嗜虐の言葉を心の中で唱えつつ、たっぷりと間を置いてヒスイは返答を返す。
「なら、言い聞かせてやろか。……とはいえ、話は簡単よ。我々ケットシーは、スプリガンによる情報攻撃を受けた。そして、此度はその報復に来た。そんだけやよ」
「…………ッ」
ファナハンの様子に動揺は見受けられない。
だが、傍にいた幹部連中と思わしきプレイヤーは別だった。険しい顔を歪め、遠目に見てもはっきりと肩を強張らせる。
その様子を見、おとがいに手を当てていたヒスイは手元を見ずにメールウインドウを開き、慣れた手つきで素早くホロキーボードを打った。
宛先は、連合軍の中
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