第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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アイゼルを無言で眺めた後……威圧感が消えた。
「ふむ。そうか。そう遠くない内にまた動く時が来よう。我らが主のために」
「……楽しみにしています。ええ、主のために」
威圧感は消えても、重量感とアイゼルには向けられていないが、圧倒的強者がもつ圧力は健在だった。……そして その後はその強大な力を纏った老魔人は音を立てる事なく、ゆらりと姿を消したのだった。
完全に気配が無くなった所で。
「主――ですか……ノス。……あなたにとっての主とは―――――」
呟くアイゼルだったが、ノスがいなくなったとはいえ、最後までその言葉を口にする事は出来なかったのだった。
〜翌日〜
英気を養い――気力に満ち溢れている解放軍の兵士達が街の広場に集っていた。
目指す場所はただ一つしかなく――その最終地点にまでたどり着いているのだ。全員の気力が満タンなのは間違いなかった。
「さぁ……、残すは王都リーザスのみね」
「ええ。……漸くです。必ず――」
レイラの一言。それに加わるのはエクスだ。
そして、アスカ、メルフェイスの2人も頷いていた。
「ようやくお家に帰れるおー!」
「……ですね。私達の故郷はもう目と鼻の先です。最後まで頑張りましょう」
最後まで、気を抜かずに力強く頷いていた。
「がははは。オレ様に掛かれば楽勝なのだ! と言う訳だ。ちゃっちゃと叩き潰すぞ」
ランスも気をよくした様だ。……エクス以外は女の子だから、だという理由も多分あるだろう。……いや間違いなく。
「ま、最後くらいは最初っからやる気十分な様で良かったな」
「……どーせ 最初だけでしょ。アイツが最初から最後までやる気だしてるの、見た事ないし」
ユーリと志津香も少しだけ離れた場所でそう呟いていた。志津香の発言には誰も否定できないからただ苦笑いしかできなかった。
「こらぁ! 志津香! 聞こえているぞ!! リーザスを取り戻した暁にはベッドの中で最後までやる気でヤってやるから覚悟しろ!」
「………それで、マリア。北部の方はどうなったって? 確か聞いてたでしょ?」
志津香は完全にいない物として マリアに訊くがそんな事をスルーできるランスではない。
「コラァァ! 来てるのか、志津香!!」
「は、はうっ ら、ランス様。落ち着いて……」
「やかましい! 奴隷の分際で 指図するんじゃない!!」
「ひんひん……」
シィルが何とか止めようとするのだが……、いつも通り シィルが頭を殴られるだけだった。
それを見て苦笑いする1人であるマリア、そして真知子が説明をした。
「あはは……。えっと 殆ど終息しつ
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