第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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強く感じたからだ。……少なくとも今のアイゼルにはそう見えた。
だが、今は話題をヘルマンに向ければ一先ずは大丈夫だと思い、会話を続けた。
「そのようなところですね。あの少人数で本当に大したものです。……こうなってしまえば、強引に仕掛けるより、彼らにここまで来させる方が良いかと」
「うむ。それでいい。……ようやく、手に入るわ。我らの主のための力が………」
口髭の奥で、ノスの唇がゆがむのがはっきりと判った。
「カオス……、ようやく見つけたわ。この時が来るのをどれ程待ちわびた事か……」
「……………………」
ノスの発言。
調べさせた件で、確信出来たが、これは以前までの自分であっても不自然。違和感を持ったであろう事 それをアイゼルは強く認識した。
何故なら、ノスはここまでの忠誠心をホーネットには見せていなかったからだ。
四天王とも呼ばれているノスの実力は 主であるホーネットを除けば、ホーネット派の中では上位に位置する。だからこそ、独自の行動をしても咎められる事は殆ど無かった。成果で示してきたからこそだ。
だからこそ、何も知らない状態の自分であったとしても、違和感を間違いなく残す事だろう。
その強さ故に、ノスは今まで最低限の義務を果たすだけだったから。いったいどのような心変わりがあったのか? と思える程。
「………アイゼルよ」
「………なんでしょう」
不意にノスの眼光がアイゼルの眼に叩きこまれた。
だが、決して臆する様な事はせず、なるべくいつも通りに返事をするアイゼル。
きわめて自然に務める事は出来た。……傍から見ても大丈夫だろうと言える。
だが、ノスの警戒心を完全に抜ける事は難しい。一番大事な時であれば尚更だった。
「貴様……少々様子が妙だぞ。何ぞ、変化があったか」
「………っ」
僅かだ。ほんの僅かな瞳の中の濁った部分がノスには見て取れた様だった。
人間であれば、その眼光を見てしまえばそれだけで気死しかねない程の圧力。……仲間である筈のアイゼルにも見せるその威圧感。
アイゼルにはある種の疑惑が向けられてしまったと思ってしまうのは仕方なかった。
だが、それでも自然を強く意識した。
今回の件。……ノスの事実も驚愕だが それ以上とも言える事態にも見舞われてしまっているアイゼル。ただの人間だった筈の相手の底さえ見えない深い力を目の当たりにした。その事実が、本来であれば屈辱とも言える事実が この窮地を脱する切っ掛けになったのだ。
「……なんでも、ありませんよ。ノス。少々、遠征の疲れが出たのかもしれません。……手ごわい相手でした。私の使途を打ち負かす程の力の持ち主が揃っていましたから」
「…………」
ノスはそのまま暫く
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