第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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べさせていたものの結果が……判明した事に対するものだった。
「……ファウンド……、間違いありません」
「ボクも、……古い書庫を見つけて文献を読み漁ってみたけど……間違いは……」
「し、信じられなかったです。……まさか カオスに、このリーザスにあんな秘密が……」
事の大きさ。そしてその衝撃の大きさ。
流石のアイゼル自身もいつもの冷静さを保つのが難しい様だった。
「………ノス」
そして口にするのは同じ魔人の名。
いや、同じではあるが その力量には絶対的とも言える程の差がある。気の遠くなる程の力の差が。魔人の中でも四天王とも呼ばれている実力者がノスだった。
魔人の持つ無敵結界も同じ魔人相手には通じない。完全な上下関係の位置しているのだ。
今回の一件。
唯一良かった点は ノスに今回の件 調べていた事がバレていない事にあった。ノスの位置はある程度なら判るし、そして何よりも警戒せよと指示を出している。洗脳した兵士を使ったりもすれば、3使途であれば容易に出来るから。
「……ホーネット様」
静かに口ずさむのは主と仕えた魔人の名だった。
主の為にと……今回の件には手を貸した。だが、いざ蓋を開けてみれば全くの逆である事を思い知らされたのだ。
――カオス。
その封印が解かれれば、ノスが取る行動は1つしかないと言う事が判り切っていたから。
そして、それを止める術は自分達には無いという事も。……もう時間が無さすぎるという事も。
そんな時だ。重厚とも言える足音が聞こえてきた。独特とも呼べる足音がいったい誰のものであるのか、それを把握するのは容易かった。神経を張り詰めていたから、可能だっただけなのかもしれないが、直ぐに手でアイゼルは使途達にここから離れる様に指示を出した。
「「「っっ!」」」
3人の使途も誰が来たのか判った様で、部屋のノックが聞こえたと同時に、反対側の出入り口からすぐにこの部屋から出て行った。
「………どなたです?」
「アイゼル。……入るぞ」
そう、入ってきたのはノス。
言葉の上だけ断りを入れて、姿だけは老体。……中身は完全なる別物の魔人が姿を現した。
「ノス……」
「戻った様だな。……随分と長かった様だが、何かあったのか?」
「いえ、少々……。すみませんね。手が必要でしたか?」
「いや、そうではない。……聖武具はどうだ?」
「残念ながら、発見できませんでしたね。……あのランスと言う男も身に付けてはないようで」
「ふん……探す前に、ヘルマンが崩れた様だ」
当たり障りのない会話が続く。
だが、アイゼルは淀みなく言っている様で気は抜けなかった。鋭いノスの眼光は心の奥まで射貫く。そんな気配を
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