第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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たが、訊かない訳にはいかなかった。
「…………なんだ」
「サウスが、陥落いたしました!! 将兵は討ち死に多数、……マーガレット大隊長も、恐らくは………」
「…………!!!!!」
ヘルマン第3軍のNo2と言っていい剛の者であるミネバ・マーガレット。
トーマに続いての実力者だった。……なのにも関わらず トーマに続いて敗れた報せだった。それも――こちらも討ち死にの可能性が高いとの事だ。これ以上ない追い打ちであり更に1つの結論が嫌でも導き出された。
「で、では……もう 残っているのは………」
「このリーザスだけ、になるね……」
そう、残っているのは リーザスただ1つしかないのだ。
その上増援は全く期待できない。……寧ろ本国はパットンの死を望むと言うのだから。
「終わり、か……」
パットンがぽつりとそう呟いてしまうのも仕方のない事だった。
「……………」
ハンティも何も言わなかった。戦で言えばもうほぼ負け戦なのだから。ここからの起死回生の一手、そんな都合のよいものが直ぐに見つかる訳もない。裏技、隠し技とも言っていい最大にして最悪、最凶の手である魔人も簡単に使えるとは思えないから。……いや 寧ろこちら側が火傷をしかねないのだ。
「………く、くくくく……はは、はははっははははは………!!!」
暫くの沈黙後にパットンは、手を顔に当てて朗らかに笑い始めた。
「……パットン?」
「魔人と取引までして、50000もの兵を引き連れ…… その、末路が……国の誰にも顧みられず、こんな こんな所でくたばる、のか……」
誰も否定の言葉が見つからない。
ただ、静かに重くパットンの悲痛な叫びが木霊していた。
「とんだお笑いぐさだ! オレは、結局……結局何もできないのか………。くく、くくく、くははははは………」
誰も声を上げず、ただ見つめるだけだった。
パットン自身も 喉からこみあげ続ける虚ろな笑みだけは、止める事が出来ない様だった。
〜リーザス城 客間〜
この客間はヘルマン軍は誰もが使用していなかった。
それは当然だ。……魔人の使途や魔人が往来している部屋の1つだった為 入る事が出来なかった。味方だと言う状況であっても 相手は魔人。人外の者だから許可でもされない限り誰一人として入る事は出来なかったのだ。
その部屋の中では人影が4つあった。
「……サファイア、トパーズ、ガーネット。間違いは……ありませんね?」
「「「………は」」」
パットン達にも劣らない程重い空気がそこには流れていた。
魔人と言う凶悪なオーラに似たモノを瘴気の様に放っている訳ではない。
ただ―― 魔人アイゼルが使途達に命じ、秘密裏に調
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