第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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食べていくランスの表情を見れば明らかだ。
「……む、確かに甘いな。これなら食えるぞ」
「ぅぅ……(ちょっとショック……私がにんじんをお出ししたら、お仕置きなのに……)あ、あのランス様。私も一口……」
「奴隷の分際で何をほざくか。椅子の脚でもかじってろ」
「ひんひん……」
「はいはい。意地悪しないのランス。私が上げるから。シィルちゃん」
マリアに助け船を出してもらって、一口食べるシィル。
それを見たランスが拳骨をくらわすというお決まりなパターン。
「もうっ 女の子に手を出すんじゃないわよー。ランス!」
「ふん。オレ様の奴隷だから 何しようと構わないのだ」
「ひんひん…………」
シィルは涙目になっているが、しっかりと味を覚えて今後ランスに出すかどうかを検討するのだった。
「あはは。皆沢山あるから 慌てなくても大丈夫だよ? ………」
メナドはそう言いながら ユーリの隣に立った。
「その、美味しいって言ってくれて……、あり、がと……」
「うん? どうした??」
「ひゃっ、な 何でもないよっ!? お、おかわりいる??」
「ああ。ありがとな」
いつもはっきりと言葉に出すメナドだから、小声だと妙に聞き取りずらい。
それが メナドにとって良かったのか悪かったのか……、それらは判らないが、この後志津香に蹴られてしまうユーリにとっては、どちらでも同じだった。
本当に良いコンディションだと思える。
硬くなりすぎず、かといって気を抜きすぎず…… 連戦状態を考えれば消耗をしていてもおかしくないのだが、それでも最高の状態で臨める事だろう。リーザスで最後だから と言う理由も当然ながら高い。
リック 清十郎と言った強者達もその雰囲気に肖り、酒を口に運ぶ。リックは下戸であると言っていたが、次のリーザスの前の景気づけと言う事で付き合った様だ。
「リーザスの死神が下戸とは。……似合わないと思うな」
「いえ、……少々照れてしまいますが、本当に自分は酒は飲まないので。作戦に支障が出てしまいますし」
「……流石はリック。真面目過ぎる」
清十郎はまだ酒の入ったグラスをゆっくりと上にかざした。
「……だが、たまには良いと思うぞ。オレで良ければいつでも付き合おう」
「……そうですね。はい。宜しくお願いします」
「その時は、オレも混ぜてくれよ? 2人とも」
「ユーリは 確かザルだったな。ふっ……呑み比べをするのも悪くない」
「……それも良い、と言いたいが戦いの前の影響になっても面倒だ。それは この戦いが終わったら、だな」
そして――其々の思いを胸に、一夜を明かしたのだった。
リーザス解放軍側は奪還に向けての光明がはっきりと見
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