第3章 リーザス陥落
第94話 魔人ノスの主
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る相手と一緒にいる事。笑顔を見せる事が出来る事だって十分休息になるのだから。
「ヒトミちゃんにナニ変な事教えてんのよ! アンタは!!」
「いてっ!? なんでオレなんだよ! それに ヒトミは昔っからこうなのは志津香だって知ってるだろ!?」
志津香の盛大な踏み抜きににユーリの反論。
2人に囲まれて ヒトミは本当に幸せそうだ。ぴょんっ! とユーリの膝から飛び降りると今度は志津香の方にするっ と抱き着いた。
「っ! っとと」
「まったく……」
何度でも 何度でも使う言葉。《大好き》と言う言葉。
皆が無事に帰ってきてくれたら必ずいう様にしている。次も絶対に大丈夫だと信じて。
そんなヒトミの気持ちを知っているからこそ、ユーリや志津香、他の皆も笑顔でヒトミを抱きしめるのだった。
色々と騒がしく休憩をしていた所で、メナドが手料理を持ってきてくれた。
「ちょっとにんじんが沢山余ってたみたいだから作ってみたんだ。その、どうかな?」
少しばかり照れ臭そうにメナドは頭を掻いて、差し出した。
そしてその隣にはかなみもいる。
「ほほぅ。メナドが料理か。……だが、かなみが横にいるとなると心配だな。へっぽこだし」
「どういう意味よ! 失礼ね!!」
かなみは、ギロっとランスをにらむがどこ吹く風だ。
かく言うランスは シィルの料理を食べたばかりの様だが、生憎まだ満腹とは程遠い。
「ランス様。にんじんは……」
「むむ……、確かににんじんは最強のオレ様には頂けん食材だ」
「いや、意味判らん。折角作ってくれたんだ。オレは頂くよ。ありがとな? メナド」
「あ、私もちょーだい! メナドお姉ちゃんっ」
「うん、沢山あるからいっぱい食べてね」
ランスは手が出せない様だが、ヒトミやユーリは問題ない様子。
メナドは笑顔で了承した。
それを訊いたユーリとヒトミがまず手を伸ばしてパクり。
「私も頂くわ。ありがとうメナド」
「あ、私もー」
「どれどーれ? 酒の肴になるかしら?」
「おっ、オレもくれ」
志津香とマリア、ロゼ、ミリも一口。
其々がしっかりと噛み味を確かめていく。
「……おお。甘くて美味しいな。にんじんと言われなかったら気付かなかったかもしれない」
「ほんとだねー。甘くてコリコリだよっ。おいしぃっ!」
「ほんと、おいしいわこれ」
皆口々に大絶賛だった。 それを見ていたランスも恐る恐る手を伸ばした。
「甘くなかったら貴様のせいだからな。ユーリ」
「なんでそうなるんだよ。でも マジで美味いから。姿形はにんじんだが、口に入れたらにんじんじゃない。そう思ったら良い」
妙な難癖をつけられそうになったが 直ぐに大丈夫になった。
ぽりぽりと
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