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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第244話 最高の笑顔とVサインを
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て、そんなキリトに実力行使(肘撃ち)で黙らせようとしたリュウキだったんだが、その肩には小さな妖精、ユイが乗っているから あまり手荒な事はしたくない、と言う事で今回限りは見送った。

「……こほんっ、それは兎も角だな。どうだかな? リュウキ。この人数の相手は」
「今更聞いてどうするんだキリト。 ここに来た時から いや 以前話に乗ったその時から もう決まってるんだろう? 色々と策はあるが まずは試してみるのも面白い。……この手のは久しく無いからな」
「バレてる、か。やっぱ」
「判るだろ。知ってるヤツだったら誰だって」

 勝手に2人でコントでもしたのか? と思えば、更に人を食った様な言いように、サラマンダーの男は苦笑いをしつつ、右手を軽く持ち上げた。


「そりゃ、無ぇだろうな。こんなんに挑むなんて馬鹿な話は聞いた事無ぇよ。……だが、味わってみたいなら、たっぷりと味わってもらうぜ。……メイジ隊、最大出力だ。盛大に焼いてやんな。相手は勇者サマ御一行だ。遠慮は一切無しだ」


 パチン、と指が鳴らされる。

 それと殆ど同時に、後方からの集団から たちまちスペルワードの高速詠唱が聞こえてきた。BOSS攻略において、火力の高いメイジ部隊を備えているのは当然だ。詠唱時間がかかればかかる魔法程、その威力は比例していく。つまり、前衛が守ってくれれば、気兼ねなく高火力の魔法を撃ち放てる、と言う事だ。

 その人数は、一体何人、10数人、数10人、一体どれだけの数を用意してきたのか判らない。立ち上るスペルワードの光の螺旋が絡まりあい、正確な数が読めないが、その立ち上る光の数が膨大だという事は見てすぐにわかった。
 だからこそ、回復魔法を咄嗟に唱えようとするアスナと攻防一体の付与の歌を使おうとするレイナだったが、それは先遣部隊が赦さない。

 と、その瞬間、駆けつけてくれた2人が……、其々の最愛の人が僅かに初めて振り向いた。 

 キリトの肩に乗ったユイを含めて、意味深で そして不敵な笑みを浮かべている。例えアバターの形が変わっても、その笑みだけは忘れる事はない。数限りなく見続けてきたものだから。

 撃ち放たれる魔法は、一目で高レベルである事は判る。無数に飛来する様々な光を放つ《単焦点追尾(シングルホーミング)》型の魔法。それぞれのメイジ達が、2人に割り振って放っているのだろう。雨霰とはこの事だ、と思える程の魔法の雨が2人に迫る。
 普通であれば、この決して広くない回廊の中での多数の魔法は回避する事は不可能だ。それが誤射の殆どない《追尾(ホーミング)》型の魔法であれば尚更だ。

 だけど、この2人には普通(・・)と言う話は、あまりしない方が良い事も アスナとレイナはよく知っている。そしてそれを改めて目の当たりにする事
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