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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第82話:郷愁味、母の手料理、懐かしむ?
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前使えてた国って事はロマリア王国よね……

「城下で探し出したとある大物さんに私は『我が国の王が貴方様をお呼びです。一緒に城まで着て下さい』と伝えたのですが、その方は城に行くのが不本意みたいで中々了承してくれなかったのです」
何処にでも居るのね……お偉いさんからの命令を嫌がる人間って!

「主の命令を違える訳にもいかず……その大物ゲストの機嫌を損なう訳にもいかず……私は困り果てまして、ある提案をしたのです」
「ある提案?」
リュリュの小首を傾げた問いかけに、この場に居る父親以外の男共は胸をときめかせている……私の夫も然り!

「はい。丁度昼時であったことから、城で昼食を振る舞わせてもらうと言ったのです」
「わぁ、お城での料理となれば凄く美味しいご馳走が出てくる訳ですよね?」
……あら? 何だか聞いたことのある話だわね?

「私もそのつもりでしたが、その大物ゲストが『シーフードピザを食べたい。でも魚介類にアレルギーがあるから魚介類を入れるな』と仰りまして……」
「は? 魚介類の入ってないシーフードピザって何?」

「えぇそうなんですよリュリュさん。私も大物ゲストの無茶ブリに頭を悩ませまして……城のコック等にお願いしても『そんな物出来るか!』と一蹴。とは言え大物ゲストの機嫌を損なう訳にもいきませんし、私も考え抜いて完成させたのです。そうシーフードピザ魚介類抜きを!」

「それってどんな料理?」
不思議そうに問いかけるリュリュに対してホザックの方々の視線は集中するが、私とティミーとビアンカ様だけはリュカさんへと視線を向けている。

「想像して下さい普通のシーフードピザを……普通のシーフードピザは、ピザ生地の上にトマト風味のピザソースが掛かっており、その上に新鮮な魚介類が並び、そしてチーズを掛けて焼き上げた物です。この行程の中から魚介類を取り除けば、その大物ゲスト様限定のシーフードピザ魚介類抜きが完成します。お味は如何でしたかリュカ陛下?」

「てめぇ……あの嫌がらせが原因で料理に目覚めたって、更なる嫌がらせじゃねーか!」
「じゃぁ何? ()の手料理はアナタ()の嫌がらせに負けたの!?」
「そう……言えなくもないですかねぇ」
「ティミー殿下、それを認めちゃ拙いんじゃないですか?」

過去の行いが嫌がらせだったことを認め、奥方に詰め寄られるリュカさん。
それを聞いたティミーも、ここぞとばかりに嫌がらせ歴の一つを強調する。
そんな雰囲気に付いていこうとギルバート殿下も参戦を試みている。頑張って欲しいわ。

「ご安心下さいビアンカ様。私の料理の腕前は愛するリュリュさんにのみ全力で振る舞うモノでして、ティミー殿下が欲してもお父上と同様の物しか作るつもりはございません」
「まぁ、それなら安心……しない
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