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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第81話:文句の一つも言ってやりたい……事態は何も変わらないけど。
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のに、何故かアクデンさんが車窓から見える景色を指差し威圧的に質問してくるのです。
主賓等は外の景色も気になるが、この列車の乗り心地の方に気を取られてる様で、各所の目立った建物を見ても質問等をしてこない。静かなモンです。
因みに、この国の凄いところは……列車の一般客室内に国賓と思われる異国の方々が乗り込んでても、他の客らが全然気にしないと言う事なのです。
凄い国民性だと思います。
ですが、それもそのはず。
だってこの車両にはその他に、ティミー殿下も乗ってるし、奥様のアルル様とアミー様も一緒に乗られてるんです。
さらにリュリュ様もね……そう、リュリュ様もなのですよ!
お忘れの方に再度ご説明差し上げます。
リュリュ様は……アークデーモンのアクデンさんと、ヘルバトラーのバトラーさんを連れてきてるんです、サンタローズから!
つまり、この列車にも一緒に乗り込んでおり、広めの客室が手狭に感じる邪魔臭さを醸し出しております。
100歩(じゃ少ないけど)譲って国賓方に観光案内をするのは良い……それプラス、ティミー殿下等ロイヤルファミリーの名所巡りに付き合わされるのも納得できる。
でも何であの威圧的お邪魔虫に『若造』呼ばわりされて、ガイドさんを演じなきゃならないんだ?
「はぁ〜……」
「ごめんなさいねレクルトさん。私達まで着いて来ちゃって……」
アクデンさんとバトラーさんのコワイ顔に溜息を吐くと、アミー様を抱いたアルル様が申し訳なさそうに謝罪してきた。
「何を仰いますアルル様! 鬱陶しいお邪魔虫が存在する中、アルル様とアミー様の存在だけが心のオアシスなんです。ご同行できて光栄の極みであります」
実は観光に出掛ける前に、ティミー殿下が久しぶりにご家族と会い、もう一瞬も離れたくなくなってしまった為、強引にアルル様とアミー様も参加させられてるのです。
そんな事を知ってる立場からすると“本当はリュリュ様と二人きりが良かったです”なんて口が裂けても言えるはずもなく、せめてあのデカ物が居なきゃ良いのになって思いを嫌味風味に撒き散らすことしか僕には出来ません。
「おい若造……鬱陶しいお邪魔虫とはワシ等の事か?」
「自覚してるのなら着いてこないでほしかったですよアクデンさん」
すんごい顔が近い……メッチャ威嚇してくる。
「お止め下さいアクデン殿。レクルトさんはこの状況にもめげず、懸命にガイド役を全うしてるのですよ。無闇に威嚇するのは無礼ではありませんか?」
「あ、いや……アルル様……ワシは威嚇など……」
「そのガタイで、その面を人間に近づければ、威嚇してる以外の何物でもないであろうアクデン。我等は魔族の中でも強面なのだから、その事実は把握しておくが良いぞ」
アルル様の優しい取り成しで、ヤクザなアクデンさんが
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