ターン67 覇王達の戦い(前)
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、これならいける。何とかこのターンさえしのぎ切れば、僕らの勝利だ。
「俺のターン、ドロー。魔法カード、魔玩具補綴を発動。デッキから融合1枚及びエッジインプモンスター1体を手札に加える。俺が加えるのは、エッジインプ・シザーだ」
「融合を?」
覇王が使うテーマであるE−HEROは、確かダーク・フュージョンによる融合召喚を得意とするカードだったはずだ。なのにあえてノーマルの融合を手札に加えたのか。
「そんなにこのカードが気になるか?だが生憎、これはただの手札コストだ。永続魔法、守護神の宝札を発動。手札を5枚捨てて発動し、カードを2枚ドローする」
「また、あのカードを……!」
以前の僕との戦いでも使用し、融合召喚の連打による覇王の荒い手札消費を補ってきた厄介なカード。なるほど、発動できれば確実に手札が1枚増える魔玩具補綴は、守護神の宝札に寄る手札事故を少しでも軽減するためのカードだったということか。これで覇王の手札は3枚、引いたカードによっては融合召喚も十分にありえる枚数だ。
だが、そこから先の覇王の行動は僕の予想をはるかに超えていた。
「魔法カード、ダーク・コーリングを発動。このカードは手札または墓地のモンスターを素材に、ダーク・フュージョンでのみ融合召喚できるモンスターを融合召喚する。俺は墓地の悪魔族モンスター、エッジインプ・シザーと岩石族の地球巨人 ガイア・プレートを素材とし、融合召喚!来たれ、E−HERO ダーク・ガイア!」
「E−HERO版のミラクル・フュージョン……ほんと、何から何まで元とよく似たものが揃ってるってわけね」
墓地融合。確かにその方法ならば、手札消費を大幅に抑えたうえで強力なモンスターを場に出すことができる。だがまさか、それを可能にするカードがE−HEROにもあったなんて。
だがオブライエンはそんなことより、覇王の場に現れたモンスターそのものに気を引かれたらしい。はっきりと息をのむ音が、僕のところまで聞こえてきた。
「ガイア・プレートだと!?それに、ダーク・ガイア……そのモンスターは……!」
「どうしたの、オブライエン?」
「奴が今融合素材にしたガイア・プレートは、ジムのエースモンスターだった。そしてあのダーク・ガイアは、そのジムにとどめを刺したモンスターだ」
「そんな……」
ジムを倒したモンスターの素材を、よりにもよってジムのモンスターにするとは。オブライエンの心を全力でおりにくるあたり、やることがえげつない。
あるいは、とぼんやり考える。覇王の言葉通りならば、ダーク・ガイアを召喚するためには岩石族のモンスターが必要となる。もしかしたら僕のラディアントークンを奪った時のように、あの恐ろしい覇王の象徴ともいえる
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