ターン67 覇王達の戦い(前)
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ル8炎属性恐竜族、攻撃力の3000とは裏腹に守備力は低めの1200。固有効果は壊獣カウンター3つを消費しての相手モンスター全破壊。レベル8の、恐竜族、炎属性……まさか。ある1つの可能性が頭をよぎった。ヴォルカニックと同じ炎属性、オブライエンのフィールドにはモンスターが1体、ドゴランの攻撃力は3000……考えれば考えるほど、その可能性が正しいように思えてくる。なるほど、そういうことか。
「僕はオブライエンのヴォルカニック・ハンマーをリリースして、怒炎壊獣ドゴランをオブライエンのフィールドに攻撃表示で特殊召喚する。さらに相手フィールドの壊獣の存在に反応して、怪粉壊獣ガダーラが手札から僕のフィールドに目覚めるよ。さあオブライエン、やっちゃって!」
怒炎壊獣ドゴラン 攻3000
怪粉壊獣ガダーラ 攻2700
2体の壊獣が並び立ち、共通の敵である覇王と戦う構えを見せる。オブライエンがにやりと笑い親指を立て、伏せたばかりのカードを表にした。
「任せておけ!トラップ発動、火霊術−紅!俺の場の炎属性モンスター1体をリリースし、その元々の攻撃力のダメージを相手に与える!受けてみろ、覇王!」
ドゴランの全身が燃え盛り、巨大な火の塊となって覇王に襲い掛かる。その全身を覆う漆黒の鎧を、紅蓮の業火が引きはがさんとばかりに覆い尽くした。
覇王 LP3100→100
「ぐっ……!」
燃え盛る炎の向こうから、これまで眉一つ動かさなかった覇王のかすかな苦悶の声が聞こえた。流石にこれだけの炎の力は、覇王といえども無視しきれなかったらしい。
「やった!」
「よくやった、清明」
「貴様ら……!」
わずかな喜びに浮かれる僕らの前に、炎を制した覇王の憎しみに満ちた声がかかる。背筋の凍りそうな冷たい視線と恐ろしい声音にもめげず、オブライエンが語りかけた。
「今のは俺の、清明の、そしてジムの分の一撃だ。その様子を見ると、少しは効いたようだな……十代」
覇王の心の闇を示すような鎧はところどころ焼け焦げ、あるいは熱量に屈し溶けている。オブライエンが奴のことを覇王ではなく十代、と呼んだのは、その鎧の様子を見てほんの一瞬だけでも十代の人格が表に出たりしないだろうか、という効果を期待してのことだろう。
だが十代は……覇王は、以前として覇王のままだった。
「なんとでもほざくがいい。さあそこのお前、貴様のターンはまだ終わっていないぞ」
「わかってるよ。永続魔法、グレイドル・インパクトを発動。そしてこのエンドフェイズにインパクトの効果により、デッキからグレイドル・イーグルを手札に加える。ドール・コール!」
覇王のライフは、ターンが回ってくる前にオブライエンの奮戦によりすでに100ポイントまで減った。いい調子だ
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