ターン67 覇王達の戦い(前)
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ターンを発動!俺の場のヴォルカニック・エッジを墓地に送り、同じ炎属性炎族でレベルが1つ上のモンスターをデッキから特殊召喚する。来い、ヴォルカニック・ハンマー!」
ヴォルカニック・エッジが炎に覆われ、その中で進化を遂げる。より強靭な表皮とそれを動かす力強い筋肉、そしてさらに激しい炎を操る能力を身に着けた上級ヴォルカニックだ。
ヴォルカニック・ハンマー 攻2400
「ヴォルカニック・ハンマーはエッジと同じく、攻撃を放棄することで俺の墓地に存在するヴォルカニック1体につき200ポイントのダメージを与える。400ポイントのダメージを受けてみろ!」
再び放たれる火炎弾。先ほどの物より威力こそ劣るものの、2連打すれば多少は効いてもおかしくない。だが炎に包まれた覇王が無造作に腕を振ると、まるで服に付いた糸くずをはらうかのように炎が四散して消えていった。
覇王 LP3500→3100
「これでも効きやしないか……ならば魔法カード、闇の指名者を発動。モンスターカード名を1つ宣言し、そのカードが相手のデッキにあるならばそれを手札に加えさせる」
「オブライエン……?」
「俺が宣言するのは清明、お前のデッキのカードだ。その名は、怒炎壊獣ドゴラン」
闇の指名者自体、オブライエンのデッキとのシナジーは皆無だ。まさか先ほどカードを入れ替えていたのは、あのカードをデッキに入れるためだったというのか。このバトルロイヤルで、自分の火力が多少落ちることになっても僕のことをサポートするために。
申し訳なさに襲われながら、デッキに眠っていたドゴランを公開して手札に加える。恥ずかしい話だが僕は自分が戦うことで頭がいっぱいで、オブライエンのサポートなんてまるで考えていなかった。ここら辺が人間性の差なのだろう。
「確かにドゴランは僕のデッキにある。ありがとう、オブライエン」
「気にするな。それに、これは俺のためでもある。カードを2枚セットしてターンエンド……うまくやれよ、清明」
そう言い、意味ありげな視線を僕に向けるオブライエン。俺のためでもある……普通に考えれば、覇王を倒すために僕の戦力を増加させることで結果的に勝利が近くなるとか、そんな意味だろう。だけどあの視線に込められていたもの、そしてあの言葉に含まれていたものがそれだけとは思えない。
「……僕のターン、ドロー」
考えろ。そもそも、なぜオブライエンはドゴランを指定した?覇王のフィールドに出すためなら、攻撃力が最も低いガメシエルの名を出せばいい。僕のフィールドにアタッカーを出したいのなら、ジズキエルがサンダー・ザ・キングの方がわずかとはいえドゴランより打点が高い。何かドゴランにしかできないこと、ドゴランでなくてはならない理由があるはずだ。怒炎壊獣ドゴラン……レベ
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