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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン67 覇王達の戦い(前)
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めて相手してやる。ルールはバトルロイヤル方式、貴様らの次に俺のターンが来る。ただし俺にはハンデとして、1つだけ条件を加えさせてもらう」
「条件だと?」
「貴様らはどうせ2人がかりで来るのだろう?それに条件といっても、大したものではない。通常のバトルロイヤルルールでは全てのプレイヤーにターンが1巡するまで誰も攻撃が不可能だが、今回のみ3人目のプレイヤー、俺から攻撃の権利を得る。どうだ?」

 覇王の提案を受け、こちらにちらりと目をやったオブライエンと視線が合う。正直、実質2対1のデュエルに対してこの条件は破格の提案だ。最悪覇王のみ手札10枚からスタート、とか言われても文句は言えないのに、攻撃権を1ターン早く覇王に回すだけで済むとは。
 無論、これが覇王の自信の表れなのも、そしてその自信に相応しい実力が奴にあることもわかっている。悔しいが、奴は強い……僕が命のかぎり全力を尽くしてさらに奇跡を味方に引き入れ、そこまでやってもうまくいけば引き分けに持ち込めるかもしれない、という程度だろう。その奇跡をこの1戦で引き当てるという根拠のない確信があるからこそ、僕の方もここにこうしているわけだが。

「いいよ。後悔しても恨まないでよ?」
「後悔?それが必要なのは貴様らの方だろう。せっかく拾ったその命を、わざわざ自分から無駄にしにきたことにな」

「「「デュエル!」」」

「先攻は俺からだ!魔法カード、トレード・インを発動!手札からレベル8のヴォルカニック・デビルを墓地に送り、カードを2枚ドローする」

 戦いの火蓋を切ったのは、オブライエン。エースモンスターであるヴォルカニック・デビルを素早い状況判断で切り捨て、手札の質を高めにかかる。あの迷いのない判断は、さすがオブライエンとしか言いようがない。

「そしてヴォルカニック・エッジを召喚。このカードは1ターンに1度、攻撃宣言を放棄することで500ポイントのダメージを相手に与える。受け取れ、覇王!」

 二足歩行する炎のトカゲ型モンスターが口から火炎弾を吐き、覇王の足元に着弾したそれが勢いよく燃え上がった。通常では攻撃できないデメリットの方が大きいこの効果も、どうせ攻撃ができない先攻1ターン目ならばノーリスクで発動できる。

 ヴォルカニック・エッジ 攻1800
 覇王 LP4000→3500

「やるね、オブライエン。どう、覇王?少しは効いたかな?」
「……温いな」

 炎の勢いが次第に弱まってくると、残り火の中心から傷一つない覇王が姿を現す。さすがに、500程度のダメージじゃ痛みの内にも入らないってわけか。
 だが、その反応はオブライエンの予測の範囲内だったらしい。

「わかっているさ、この程度の炎じゃお前の鎧を剥がすことはできない。だが、次だ!魔法カード、トランス
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